時代背景は、はるか奈良時代。
ヒロイン、古志加(こじか)の一途な愛の物語です。
ただ、甘いだけではありません。
そうじゃなきゃ、簡単におすすめなどはしません。
この物語は、過酷な幼少期に受けた傷を力に変えて、
時代を生き抜く、強いヒロインが魅力的です!
そして、このヒロインが一途に恋するのは
強いが不器用で人間くさい男。
すれ違いながら、相手を思い合いながら、じれったい恋は進んでいきます。
愛される日を夢見る、ヒロインが切なくも愛しい。
読者さまを、置き去りにしない時代小説。
この世界観を、楽しまなきゃもったいない。
読む価値ありの秀作、どうぞお楽しみあれ!
奈良の世で、小さな女の子がたくましく生き抜き、本当の意味で女性として幸せをつかむ、物語。
こちら大人気作品で、多くのレビューが書かれてますから、私は補足的な内容をば。
色鉛筆で彩色を施した見事な手書きのイラストが、それはそれはたくさん添えられています。
絵物語……とは平安時代に発展した文化のようですが、こちらは奈良時代なので先駆け?です。
表情のとりかたが、上手いのなんの。
臨場感たっぷりです!!
その絵の真ん中に据えられた人物だけではなく、脇役も、雑魚敵モブまでもが、ええ味出してます。
この話にはイラストついてるかしら? 毎度わくわくと、待ち遠しい。
イラストもさるもことながら、本文は勿論!!
本当に生きてる人たちがいるそんな世界があって、そこでたくさんの人々の日々の営みが続いていくように感じられる。
人物たちの肉づけが半端ないお作品です。
読者は、主人公の親戚になった気分で、一喜一憂一怒しつつ、見守っていく感じであります。
この恋のお相手、彼もイイオトコに間違いはないのですが、如何にせんとんでもない『ニブチン』で。
読者を「おまえええ〜」と何度たぎらせてくることか。
でも大丈夫です。ハッピーエンドが冒頭に確約されていますので。
ストーリーも、イラストも、他では読んだことない奈良時代という世界観も、丸っと楽しめる!
この作者様の入り口であって本流のお作品。みなさまもぜひ。
過酷な幼少期を過ごした主人公の「古志加」は、悲惨な境遇から救ってくれた身分の高い男性「三虎」に恋をします。
しかしながら三虎とは身分違いな上、朴訥とした御仁でなかなか古志加の想いに気がつかない様子。
そして彼には既に心を寄せる遊女がいて……!?
その恋は前途多難。
しかしどんな障害であっても、恋する心を縛ることはできません。
泣き、つまずき、悩みながら、そして優しくて頼もしい仲間たちに支えられて、少しずつ人として、そして1人の女性として花開いていくその姿に、誰もが目を奪われることでしょう。
苦難と悲しみを乗り越えた先に掴む未来。
それが明るいものであると願って、私は今日も恋する乙女「古志加」を全力で応援し!
愛でさせて頂きたいと思います!
あー! 可愛くて癒されるー!
好きな人に純粋な想いを寄せ続ける古志加が可愛くてたまらない!
恋って……いいよね!
どこまでも読み手を温かで幸せな気持ちにさせてくれる、素敵なラブストーリーを読みたい方に是非! オススメしたい一作です!
奈良時代、男として過酷な幼少期を過ごした少女、古志加(こじか)。生命を救ってくれた相手に抱く、一途な想い。
大きな波乱を何度も乗り越え、少女は強く美しい女性へと成長します。
ハッピーエンドが約束されているとはいえ、想いを寄せる相手とは、じりじり焼きもきするお話の展開に、目が離せません。
物語の中の登場人物像が皆、生き生きと描かれていて、きっとこの世界観に夢中になることでしょう。
今まで歴史物を敬遠していた方も、是非この美しい恋物語を紐解いてみて下さい。そして、この感動を味わって下さい。
関連する他の物語も次々と読みたくなりますよ。
作者様、素敵な物語をありがとうございます!
まだ二章までしか読めていませんが、とても美しい物語にレビューをしたい気持ちが止められませんでした。
冒頭はヒロインの古志加の凄惨な幼少期で心が締め付けられますが、しかしながら、その後に出会う人々の心がとても優しく温かい。
単純な既視感に溢れた作品ではなく、背景もしっかりと描写されているので一人一人のキャラクターの行動や台詞に説得力があります。
そして、それらを表現されている作者様の文章の美しさと繊細さが光っています。
ただ語られるだけの「物語」ではなく、本来の意味での「小説」とはまさにこういう作品の事を言うのでしょう。
この作品との出会いは、私にとって幸せなものとなりました。
時は、奈良時代。
古志加《こじか》は母とともに、ひどい父親に虐待され、みすぼらしい姿で、とうてい女の子には見えないほどでした。
しかし、転機が訪れます。
ある出来事から、母とのひとときの平穏な生活、そして、再びの悲劇。
完全に打ちのめされ、絶望していた古志加《こじか》を助けてくれたのは……
奈良時代の興味深い背景、生活や階級制度。
その中で、逆境に負けず、頑張る古志加《こじか》の成長と、激しい恋に、ハラハラドキドキして、目がはなせません。
古志加《こじか》をとりまくキャラたちも、とても魅力的で、ひとりひとりにきちんと過去があり、揺れ動く感情があり、その上での性格や行動があります。
素晴らしいキャラ設定に、脱帽です。
とても読みやすく、あんまり面白いので、私は簡単な奈良時代言葉を自然とおぼえ、日常でもつい使ってしまいそうになります。
ハマる作品です。
一度読んだら、このシリーズ物は手放せなくなります。
ぜひ、おすすめします。
万葉の、どこかおおらかな空気が香り立つ奈良の時代――しかし舞台となる上野国に吹く風は、厳しい伊香保風(からっ風)です。
この時代の女性が纏う領巾(ひれ)を思わせる柔らかな筆致に、読み手はすぐに引き込まれます。そこで描かれる場面がどれほど厳しい現実を孕んでいようと、気付けばこの世界の中で、主人公と共に怒り、笑い、ときには涙を流し、先へ先へと物語を追っているのです。
本作は、ハッピーエンドであることが概要で明示されており、またプロローグでもそれがはっきりと示されています。
ですが、続く本編から語られる、主人公古志加の境遇は容赦の無い過酷なものであり、読み手は容易に、というより全く、プロローグで見せられた彼女の幸福な姿への道筋を想像することができません。
それどころか、そもそも今この先どうなってしまうのか、という目の離せない展開に、遥か未来のことなどそっちのけで釘付けになってしまいます。
そのように古志加は数々の困難に見舞われますが、しかし誰かしらが彼女に温かい心を向ける場面が随所にあり、ただただ辛いばかりではなく、むしろ「良かったね」と声を掛けたくなることもたくさんある物語ですので、ご安心ください。
読みやすい、とは他の方々も口を揃えて評しておいでの点ですが、作者様は、ご自身が愛するこの物語世界と登場人物たちを、いかに確かな形で読者に届けるかに心を砕いておいでです。
遠い遠い過去である奈良時代、当然そこで生きる人々は私たち現代人とは異なった感覚を持っていますが、それが作中で驚くほどに分かりやすく、そして自然に説明されるので、隔たった時代であることなどまったく障壁になりません。
題名にある『あらたま』とは磨かれていない玉の意、そして『玉』とは宝石を表すとのことですが、作中では魅力的な女性のことを『玉』になぞらえています。
主人公古志加は実の父親に男子同然に育てられ、そのことが長らく彼女から女性としての自信を奪い、特異な立ち位置に追いやってしまいます。
しかしそんな辛い状況でも、彼女は素直で明るく、何より懸命に生きており、確かな魅力を秘めていることを周囲に感じさせます。
その磨かれていない『あらたま』であった古志加が、いかにして『玉』の輝きを放つに至るのか、ぜひとも確かめていただきたいです。
時代は奈良、ヒロインの古志加(こじか)が語る恋物語です。
辛い幼少期に心を救われた青年を一途に想い続け、それを大事に実らせていく。
そんなお話になります。
幼少期の境遇、伝わらない想い、襲いくる波乱。
胸が苦しくなる場面も多くあるかと思います。
でも安心して読んで欲しいです。
何故ならヒロインの想いは強く、必ず乗り越えられる確信と、彼女を応援したい気持ちが強くなるはずだからです。
すれ違いにヤキモキしたり、少し伝わって嬉しくなったり、本当にヒロインと物語を歩んでる気分になれますよ。
そう思えるのは登場する人物全員の心象描写がとても美しいからです。
主要人物はもちろん、所謂敵役ですら、共感や同情をしてしまうと思います。
(同情できないド屑にはきっちり制裁が下ります、すっきり!)
この小説の特徴として、
「読み手のことを本当に考えてくださっている文章」、そう感じます。
とてもスマートな文章なのに不足はない。
文字に目が吸い付くと言いますか、目が滑る文章と対極なんです。
舞台が奈良時代なこともあって、現代では使われない言葉も多く出てきますが、
しっかりと注釈や説明がされているのでストレスになることはまずありません。
是非、多くの人に読んで欲しい物語ですけれど、
個人的にはあまり恋愛小説を読まない人には特に読んで欲しい作品です。
新しい扉が開けますよ。(ソースは私)
そして読了後、もう一度序章を読んでみることをオススメします。
序章の結び、
「愛いとしくて、恋いしくて、何度も夢に見た、あの人との話を……。」
この言葉の重みを理解できて感動しますよ。
この小説の魅力は、まずは作者の美しい文体と描写です。
奈良時代の風景や人々の暮らしが、繊細に丁寧に描かれていて、古代の言葉や仮名遣いも雰囲気を高め、物語の世界に自然に溶け込んでいけます。
登場人物たちの感情や心理も、細やかに表現されていて読み進むうちに魅了されます。
主人公の古志加と三虎の恋のやり取りは、じれったさや切なさや甘さに溢れています。
読者は、きっとこの二人の想いが通じ合うまでの長い道のりに胸を締め付けられることでしょう。
登場人物たちの個性と人間味も魅力です。
古志加は不遇な境遇にもめげず、明るく強く生きる女性です。
三虎は孤高で厳しいけれど、時折見せる優しさや照れが愛らしい男性です。
古志加と三虎を取り巻く多彩な登場人物たちが、それぞれに影響力を与え、その関係性や背景も物語の奥ゆきを深めています。
作者の情熱を至るところで感じる読み応えのある恋愛小説です。
恋愛小説が好きな方はもちろん、そうでない方も是非読んでみて欲しい物語です。
きっと、古志加と三虎の恋に心を奪われることでしょう。
さらに、物語の合間に描かれた挿絵も素晴らしくイメージも膨らみ魅了されます。
私の一押しのおすすめ小説です。
皆様のレビューが素晴らしいものばかりで、私がこの上付け足すことなど何もないのですが、作者様にせめてお礼を申し上げたく、少し書かせていただきます
第一章の、くるみの人、蘇比色の衣、でもうガッツリ心を鷲掴みにされてしまいました
もう後は毎日時間があるとこの作品にどっぷりでした
完全に母心になってしまい、ヒロイン古志加の波乱万丈の人生をじっと息を詰めて見守りつつ、ハラハラ、ジレジレ、ドキドキで一喜一憂する毎日になりました
もうどうしようというくらい通勤電車の中で読みながらボロ泣きしたこともあれば、読んで我がことのようにうれしくて上機嫌になり周りにびっくりされたこともあります
それはひとえに、作者さまの文章の、清らかな清水のように心に染みて来るうちに、目の前にかの世界を出現させて読むものを遊ばせてしまえるほどの、深く鋭い表現力にあります
現実に帰る度に苦痛を感じるほど、それは素晴らしく美しくリアルなものでした
物語の持つ力と、この作者さまの類まれな文才、文学的教養が見せてくれる艶やかな万華鏡
このカクヨムで出会えたことを心の底から感謝したい作品のひとつです
この作品を書いて下さりありがとうございましたm(_ _)m
序章から読者と主人公は絶望へと落とされます。
主人公は「くるみの人」のおかげで徐々に傷を癒されながら立ち直り、ひとりのおみなとして幸せを掴む。
そんな大大恋慕を見届けることができる作品です。
この物語の魅力は、ひとえに多彩な魅力的なキャラクター達でしょう。
皆が自らの意思を持って、行動をしています。
つまりキャラクターが立っている、これは大変に素晴らしいことです。
全てが複雑でありながら、少しずつ繋がっています。
背景がわかると物語の奥行きが見えてくるのです。
そしてそれらは共感を呼び、ともに悩み、苦しみ、喜び、時に怒り、そして涙します。
これほど感情を揺さぶられる作品はなかなかにないと思いました。
感情の内訳としては、苦しさ2割、コメディ2割、ほっこり2割、ドキドキ3.5割、大川さま0.5割(これは私のひいき)でした。
読み終えた後では、上野国の晴れた清々しい空が思い浮かびます。その下では沢山の人が幸せを営んでいるのです。
読んで良かったと思える作品でした。
以下は私の余談です。
大川様は、大川様です。今日も大川様なんです
彼もまたこの物語からは切っては切れぬ役者です。とても素敵なキャラクターです。
多くは語りません。彼はミステリアスな人ですから。
そして、はなまろ兄さんも大切な役者です。かけがえのないあにさまです。彼らが知ることがないのは少し寂しいですが、致し方ありません。
思わずイラストを描きたくなる作品でした。ありがとうございました。
いまから千二百年も昔に生きた人達の物語。
未だ社会は整っていない中、だからこそみんな強く生きて、ありのままに強く人を恋する世界。
本作は、そんな中で育った不遇な少女が、魂をかけて愛しき相手を一途に想う物語です。
自分を律して頑なに生きるもの。力を頼み奔放に生きるもの。
さまざまな人達が行き交う中で、和風戦乙女のように剣もて少女は育ちます。
しかし想い人は育ちも良く、主に命を懸けて孤高と貫く頑固者、時折優しさを見せるも容易に気持ちを近づけません。
そんな相手に孤児として育った少女が全霊をかけて相手を想う、その行方は。
本作は奈良時代という時代背景を巧みに取り込まれています。
作中屈強の戦士が剣を交える中で、思わず色気を感じてしまうほどに強く、美しく。
強く慕う気持ちは夢の中で魂の架け橋を渡し、両者の想いを繋ぎ。
時に命は軽やかに散り、男女は思うままに愛を交わす。
ありのままの人間を描き切った、力強い物語。
相手を想うとはどんなことか。読み割った後には幸せな読了感に包まれます。
寒い冬に心を温かくしてくれる本作、いかがでしょうか。
全てを読み終え、もう一度序章を拝読してからこちらを書かせて頂いております。
このお話は、昔々の日本で、生まれ、お母様に愛され、お母様亡き後は孤独と闘い、救われ、仲間を得て、そしてその身を救い、仲間を、居場所を下さった唯一の人を愛し続けた強い女性の物語です。
女性は幸せになります。間違いございません。そして、幸せになる理由は、その内なる美しさから由来する魂の輝きから。
外見もとても美しいです。そして、心身共に、とても強い。
どちらかと言うと、女性から好かれる美々しさですが、恋しい人と他の殿方達も夢中にさせる美しさです。
最後に、もしかしたら、『恋が、戀。歴史的仮名遣いや、難しい内容なのかな』と読まれることを躊躇していらっしゃる方がおられましたら。
大丈夫です。
作者様はきちんと注釈、ふりがな、解説、概説を整えて下さっております。安心してお読み下さい。コメント欄の皆様もこの物語を愛しておられる方達です。
一人でも多くの方がこちらの物語を読まれる契機になれましたら、とても嬉しく存じます。
奈良時代のお話。
主人公が幼い女の子の時代から物語は始まります。そして、立派な女(おみな)へ成長するまで、様々なことを、この主人公と一緒に体験していく恋愛物語。
いや、主人公の人生を描いた物語と言っても過言ではないかもしれません。
実際、恋愛周りのキュンキュンするシーンの他に、笑える話やハラハラする話、心が温まる話や泣ける話まで盛り沢山ですから。
そしてこの『あらたま』、何と言っても、この主人公への感情移入がエグいです。この子が小さかった頃から、ずうっと見守っていくわけですから。
この子に優しくしてくれる人は大好きだし、酷いことをするやつは本気で憎いんです。
奈良時代を感じる描写や文体も素敵です。でも難しい読み方にはすべてルビを振ってくれています。物語の優しさ、暖かさはこんなところにも表れていると思います。
最後に、私がこの物語を傑作だと思う理由は、『登場人物が生きてる』と思えるからです。物語のためにキャラが居るのではなく、キャラが物語を動かしていっています。主要人物どころか、ちょい役のキャラもみんなそれぞれ『生きて』ます。それが本当に素晴らしいです。
ぜひとも、読んでみてください。
最終話まで読んでのレビューです。
この話は奈良時代を舞台に、主人公の少女・古志加の10年以上に渡る一途な恋を描いたお話です。
奈良時代、という舞台に尻込みするかもですが、非常に細やかな配慮のされた作品なので時代小説はちょっと…という方でも読みやすいです。
難読漢字にはちゃんとルビが振られて、聞き慣れない言葉はしっかりと解説が入っています。
初登場の古志加は9歳。
男の子と間違われるくらいに痩せ細っていた少女が、「恋」という名もつかないくらいに淡い想いをひたむきに抱えこんで成長していく。
その過程を情感豊かに、色鮮やかに描き出す作者様の文章力は正に圧巻。
読み進めて行く程に、ずぶずぶと万葉の沼にはまっていき、気づけばもう古志加と一心同体。
彼女のピンチにはらはらし、不器用な思い人・三虎に怒り、女官達のふくよかな優しさに涙し。
しかもこの古志加、かなり魅力的。
10年以上も1人の人を一途になんて言うと、おしとやかで儚い子を思い浮かべるかもですが、古志加はいい方向に裏切って来ます。そして彼女の不器用さもつい感情移入してしまう魅力の1つです。
1人の少女が過ごした約15年間の日々を、彼女を取り巻く人間味溢れる登場人物と共に描いた本作はもう傑作としか言いようのない物語です。
この素晴らしい読書体験を是非、あなたにも味わっていただきたいです。一読を強くおすすめします!