概要
上野国。
田舎の郷の平民である少女、古志加《こじか》は、父親に恵まれなかった。
父親は、乱暴者で郷の嫌われ者。
そんな父親から、少女は、大好きな母親を精一杯、守ろうとする。
やがて、少女は、6歳年上の、豪族の若さま、三虎《みとら》に心ひかれるようになる。
大きな身分差。
いつも不機嫌顔で口の悪いその若さまを、幼い少女は、「かっこいいな。」と思って見てることしかできなかった。
まだ、己の気持ちに、名前も与えることができずに……。
切なさ全開。
ロマンティックな歴史恋愛小説です。
※歴史モノと気負わずどうぞ!
読者さまは、平安時代より古い時代が「奈良時代」と知ってるぐらいで、OKです。
※難しい漢字にはルビがふってあります。
※じれじれです。半端な
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!恋愛ジャンルの最高傑作!!いつの時代も恋は切ない
時代背景は、はるか奈良時代。
ヒロイン、古志加(こじか)の一途な愛の物語です。
ただ、甘いだけではありません。
そうじゃなきゃ、簡単におすすめなどはしません。
この物語は、過酷な幼少期に受けた傷を力に変えて、
時代を生き抜く、強いヒロインが魅力的です!
そして、このヒロインが一途に恋するのは
強いが不器用で人間くさい男。
すれ違いながら、相手を思い合いながら、じれったい恋は進んでいきます。
愛される日を夢見る、ヒロインが切なくも愛しい。
読者さまを、置き去りにしない時代小説。
この世界観を、楽しまなきゃもったいない。
読む価値ありの秀作、どうぞお楽しみあれ! - ★★★ Excellent!!!とくと 絵物語(えものがたり)を ご覧あれ!
奈良の世で、小さな女の子がたくましく生き抜き、本当の意味で女性として幸せをつかむ、物語。
こちら大人気作品で、多くのレビューが書かれてますから、私は補足的な内容をば。
色鉛筆で彩色を施した見事な手書きのイラストが、それはそれはたくさん添えられています。
絵物語……とは平安時代に発展した文化のようですが、こちらは奈良時代なので先駆け?です。
表情のとりかたが、上手いのなんの。
臨場感たっぷりです!!
その絵の真ん中に据えられた人物だけではなく、脇役も、雑魚敵モブまでもが、ええ味出してます。
この話にはイラストついてるかしら? 毎度わくわくと、待ち遠しい。
イラストもさるもことなが…続きを読む - ★★★ Excellent!!!奈良時代を舞台に繰り広げられる、切なくも美しい少女の成長恋愛譚
過酷な幼少期を過ごした主人公の「古志加」は、悲惨な境遇から救ってくれた身分の高い男性「三虎」に恋をします。
しかしながら三虎とは身分違いな上、朴訥とした御仁でなかなか古志加の想いに気がつかない様子。
そして彼には既に心を寄せる遊女がいて……!?
その恋は前途多難。
しかしどんな障害であっても、恋する心を縛ることはできません。
泣き、つまずき、悩みながら、そして優しくて頼もしい仲間たちに支えられて、少しずつ人として、そして1人の女性として花開いていくその姿に、誰もが目を奪われることでしょう。
苦難と悲しみを乗り越えた先に掴む未来。
それが明るいものであると願って、私は今日も恋する乙女「古…続きを読む - ★★★ Excellent!!!一途な想いを胸に、ひたむきに生きる少女の成長物語
奈良時代、男として過酷な幼少期を過ごした少女、古志加(こじか)。生命を救ってくれた相手に抱く、一途な想い。
大きな波乱を何度も乗り越え、少女は強く美しい女性へと成長します。
ハッピーエンドが約束されているとはいえ、想いを寄せる相手とは、じりじり焼きもきするお話の展開に、目が離せません。
物語の中の登場人物像が皆、生き生きと描かれていて、きっとこの世界観に夢中になることでしょう。
今まで歴史物を敬遠していた方も、是非この美しい恋物語を紐解いてみて下さい。そして、この感動を味わって下さい。
関連する他の物語も次々と読みたくなりますよ。
作者様、素敵な物語をありがとうございます! - ★★★ Excellent!!!人と人が織りなす、愛と絆の物語。
まだ二章までしか読めていませんが、とても美しい物語にレビューをしたい気持ちが止められませんでした。
冒頭はヒロインの古志加の凄惨な幼少期で心が締め付けられますが、しかしながら、その後に出会う人々の心がとても優しく温かい。
単純な既視感に溢れた作品ではなく、背景もしっかりと描写されているので一人一人のキャラクターの行動や台詞に説得力があります。
そして、それらを表現されている作者様の文章の美しさと繊細さが光っています。
ただ語られるだけの「物語」ではなく、本来の意味での「小説」とはまさにこういう作品の事を言うのでしょう。
この作品との出会いは、私にとって幸せなものとなりました。 - ★★★ Excellent!!!不幸の殻を破り助けてくれた男。古志加《こじか》はヒナのように男を慕った
時は、奈良時代。
古志加《こじか》は母とともに、ひどい父親に虐待され、みすぼらしい姿で、とうてい女の子には見えないほどでした。
しかし、転機が訪れます。
ある出来事から、母とのひとときの平穏な生活、そして、再びの悲劇。
完全に打ちのめされ、絶望していた古志加《こじか》を助けてくれたのは……
奈良時代の興味深い背景、生活や階級制度。
その中で、逆境に負けず、頑張る古志加《こじか》の成長と、激しい恋に、ハラハラドキドキして、目がはなせません。
古志加《こじか》をとりまくキャラたちも、とても魅力的で、ひとりひとりにきちんと過去があり、揺れ動く感情があり、その上での性格や行動が…続きを読む - ★★★ Excellent!!!親しみやすい筆致が魅せる、『未玉(あらたま)』が『玉』となるまでの物語
万葉の、どこかおおらかな空気が香り立つ奈良の時代――しかし舞台となる上野国に吹く風は、厳しい伊香保風(からっ風)です。
この時代の女性が纏う領巾(ひれ)を思わせる柔らかな筆致に、読み手はすぐに引き込まれます。そこで描かれる場面がどれほど厳しい現実を孕んでいようと、気付けばこの世界の中で、主人公と共に怒り、笑い、ときには涙を流し、先へ先へと物語を追っているのです。
本作は、ハッピーエンドであることが概要で明示されており、またプロローグでもそれがはっきりと示されています。
ですが、続く本編から語られる、主人公古志加の境遇は容赦の無い過酷なものであり、読み手は容易に、というより全く、プロローグ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ヒロインと歩む美しい古代日本の物語
時代は奈良、ヒロインの古志加(こじか)が語る恋物語です。
辛い幼少期に心を救われた青年を一途に想い続け、それを大事に実らせていく。
そんなお話になります。
幼少期の境遇、伝わらない想い、襲いくる波乱。
胸が苦しくなる場面も多くあるかと思います。
でも安心して読んで欲しいです。
何故ならヒロインの想いは強く、必ず乗り越えられる確信と、彼女を応援したい気持ちが強くなるはずだからです。
すれ違いにヤキモキしたり、少し伝わって嬉しくなったり、本当にヒロインと物語を歩んでる気分になれますよ。
そう思えるのは登場する人物全員の心象描写がとても美しいからです。
主要人物はもちろん、所謂敵役ですら、…続きを読む