不幸の殻を破り助けてくれた男。古志加《こじか》はヒナのように男を慕った

 時は、奈良時代。
 古志加《こじか》は母とともに、ひどい父親に虐待され、みすぼらしい姿で、とうてい女の子には見えないほどでした。

 しかし、転機が訪れます。
 ある出来事から、母とのひとときの平穏な生活、そして、再びの悲劇。
 完全に打ちのめされ、絶望していた古志加《こじか》を助けてくれたのは……

 奈良時代の興味深い背景、生活や階級制度。
 その中で、逆境に負けず、頑張る古志加《こじか》の成長と、激しい恋に、ハラハラドキドキして、目がはなせません。

 古志加《こじか》をとりまくキャラたちも、とても魅力的で、ひとりひとりにきちんと過去があり、揺れ動く感情があり、その上での性格や行動があります。
 素晴らしいキャラ設定に、脱帽です。

 とても読みやすく、あんまり面白いので、私は簡単な奈良時代言葉を自然とおぼえ、日常でもつい使ってしまいそうになります。

 ハマる作品です。
 一度読んだら、このシリーズ物は手放せなくなります。
 ぜひ、おすすめします。

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