万葉の歌にのせて

鈍い男と天然の女の子との恋。
ゆえになかなか進みません、ええ進みませんとも!
じれじれです。
「ええい、他の男でいいではないか!」
と思ってしまいましたが(すみません)、主人公は一途でかわいらしいです。
そう、一途なの! すごい!!
最後はちゃんと恋を成就して、あまあまで終わるので、大丈夫!

奈良時代つまり万葉時代は文献があまりありません。
何しろ、文字も定着していませんからね。
(万葉仮名は複数表記があります。)
だから、作者の加須さんの想像で世界が膨らみ、彩りが与えられています。
そこがいいのです、とても。
万葉集から感じとられる、おおらかさやあたたかさに
切ないじれじれあまあまの恋愛が描かれていました。素敵な世界です。

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