奈良時代を舞台に繰り広げられる長い長い恋の路。
- ★★★ Excellent!!!
序章から読者と主人公は絶望へと落とされます。
主人公は「くるみの人」のおかげで徐々に傷を癒されながら立ち直り、ひとりのおみなとして幸せを掴む。
そんな大大恋慕を見届けることができる作品です。
この物語の魅力は、ひとえに多彩な魅力的なキャラクター達でしょう。
皆が自らの意思を持って、行動をしています。
つまりキャラクターが立っている、これは大変に素晴らしいことです。
全てが複雑でありながら、少しずつ繋がっています。
背景がわかると物語の奥行きが見えてくるのです。
そしてそれらは共感を呼び、ともに悩み、苦しみ、喜び、時に怒り、そして涙します。
これほど感情を揺さぶられる作品はなかなかにないと思いました。
感情の内訳としては、苦しさ2割、コメディ2割、ほっこり2割、ドキドキ3.5割、大川さま0.5割(これは私のひいき)でした。
読み終えた後では、上野国の晴れた清々しい空が思い浮かびます。その下では沢山の人が幸せを営んでいるのです。
読んで良かったと思える作品でした。
以下は私の余談です。
大川様は、大川様です。今日も大川様なんです
彼もまたこの物語からは切っては切れぬ役者です。とても素敵なキャラクターです。
多くは語りません。彼はミステリアスな人ですから。
そして、はなまろ兄さんも大切な役者です。かけがえのないあにさまです。彼らが知ることがないのは少し寂しいですが、致し方ありません。
思わずイラストを描きたくなる作品でした。ありがとうございました。