概要
漆黒の闇に浮かぶ魔術師が難攻不落の城塞を破壊し尽くした時、物語の幕が上がる。
リンゼイア大陸の盟主ラディック王国に対し、ゼンディニア王国が戦乱の狼煙を上げたのだ。国王イプセミッシュと忠実なる十二将の野望を前に、ラディック王国国王イオニアは聡明な第一王女セレネイアを遣わした。
事の真相を探ろうとするも、思いがけない障害にぶち当たる。
さらには魔術高等院ステルヴィアが誇る三賢者が一人、スフィーリアの賢者も院長の命により動き出していた。
時を同じくして、百余年ぶりに主物質界に降臨する者がいた。
彼の使命は混沌の輪還からはぐれ、摂理を乱す異質な存在、人を食って依代とする魔霊鬼を滅ぼすことだった。
全ての者が出会った時、物語は一気に大きく動き出す。
多様
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!重厚感溢れる、王道を往く壮大な群像劇
本作を一言で言い表そうとするならば、"数多の思惑が交錯する群像劇にして、何処か懐かしさを覚えるファンタジー"である。
初っ端から難攻不落と謳われた城塞が謎めいた魔術師によって木っ端微塵に吹き飛ばされるわけだが、その描写たるや圧巻の一言。地の文も硬派で、緻密な心情・情景描写が魅力的ゆえに、1話1話と読み進めてゆく度、次は一体どうなるのかとワクワクが止まらなくなる。
何より、理の外からやって来た未知なる脅威"魔霊鬼(ペリノデュエズ)"の与える絶望感たるや凄まじく、下位個体でも恐ろしさを覚えずにはいられない。
各陣営がどう交わってゆくのか、これからも楽しみに、腰を据えて読み進めていきたい傑作…続きを読む - ★★★ Excellent!!!最近は探すのが難しいが、読む価値が十分な小説
最近ではあまり見かけない、古典風の異世界ファンタジー小説です。
一般的に、古典風のファンタジーを叙述·作成するためには、世界観の精巧さと全知的視点でシナリオを見るような対話と小説の中の場面を生々しく記憶したり想像できるほどの具体的で細かい描写が特徴的で、まるで昔のファンタジーゲームやシナリオで見られるようなストーリーや構想及び設定に基づいて、作者の観点から独自に作り出した内容やストーリーを読者が理解でき、興味を持てるほど詳細に作成することが重要です。
そして、これを「小説連載」という方式で読者に伝えるためには、ストーリーと内容の配置および配分がとても重要になります。
ところ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!圧倒的なスケールと重厚感の美
昔から根強い人気の、王道ファンタジーに近い物語です。
ダーク要素も強く、魔法や技の名前がとても良い。
そして何より、読んだ後の満足感が凄いんです。
緻密な描写で表現された物語は、作者様のこだわりを強く感じられます。
初めはあまりの重厚感に驚きましたが、読んでいくうちに虜になっていきました。
海外のファンタジー作品を彷彿とさせる雰囲気も多く、グッとくる展開も混ぜ込まれています。
老若男女問わず楽しめるような物語ですが、特に大人の方に刺さりやすいかと。
物語は新たに。
しかし雰囲気は馴染み深い。
読了後の余韻にも浸れるため、満足感もひとしおです。
未読の方には、ぜひご一読をお勧めしま…続きを読む - ★★★ Excellent!!!剣と魔法の世界を舞台に彩られる濃密な群像劇
古典的王道な剣と魔法の世界でありながらも堅苦し過ぎず、数々の魅力溢れるキャラクター達が己の意志や大望、内なる想いを懐きながら大いに活躍する、そんな群像劇を緻密かつ流麗な文体で魅せています。
私個人が最も好きな登場人物はパレデュカル殿で、彼の人柄などの魅力は是非とも本編を読んだ上で共感して頂きたいと思います。また、本編には魔霊鬼という脅威的な敵が登場し、その強さは下位であるにも関わらず圧倒的、それなのに高位の存在、またその上の最高位までいるという絶望に「どう立ち向かうのか」と先が気になる次第です。
語り尽くすには長すぎるうえ、ネタバレとなるので断腸の思いで割愛させて頂きますが、その他にも興…続きを読む