概要
その筆頭家の姫がいま、呪いに倒れようとしている。
救うのは、ふろたき女。
召し抱えられたにんげんの少女、リューリュだった。
だが、その出会いに秘められた、ほんとうの意味。
それにまだ、だれも気づいていない。
ごめん……なさい。ぜんぶ、わたしが、滅ぼすから。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!読み手に世界を広げさせるパワーがある
和風ファンタジーというこちらの作品。
確かに和風なのですが、○○風、という括りなどどうでもよくなるくらい、強い世界観を持った作品だという印象を受けました。
「この物語の世界の空気はこんな匂いがして、本はこんな手触りで、食べ物の味はきっとこんな風」などと、読み始めると読み手の中でぐんぐん世界が広がって行きます。
私はそれほど小説を読んで来た方ではありませんが、五感を刺激する作品には多数出会っています。しかし、本作のように、読み手にお話しの世界を広げさせる作品とは初対面。
物凄いパワーだと思います。
作者様の独特なリズム感も相まって、読み手の心はがっちり掴まれることでしょう。 - ★★★ Excellent!!!古の呪いに向かうは積み重ねた思い。
この話は、呪いと共に生まれた鬼族の姫君とふろたきの少女との友情の話です。
一族最強の力を持って生まれながらも、古の呪いを受けて生まれたキキョウ姫。呪いを解くかもしれないうたを知っていたばかりに、姫の世話を任されるふろたきのリュ―リュ。
種族を超えた2人の友情が向かう結末は感涙必死の美しいものです。
世界観も良く作り込まれていて、特に鬼の使う文字と人間の使う文字が分けられていて、それぞれの特性がある所など、またその文字の設定が話に絡んでくる所は特に見事だと思いました。
文章も情緒的で非常に読みやすいです。特に情景描写は一読の価値あり!です。 - ★★★ Excellent!!!美しい世界観と文章が織りなす重厚な異世界ファンタジー
もしも私が
「感動する異世界ファンタジーを教えて」
と聞かれたら、真っ先に
【ふろたき女と、鬼の姫】
を挙げるでしょう。
それほどまでに心がうち震え、一つ一つのシーンが脳裏に焼き付いています。
プロローグとエピローグを合わせて全十五話。
中編小説くらいの長さなのが信じられない。
それほどまでに濃厚な物語です。
そしてこの作品における一つのテーマへの、物語のアンサー、帰結があまりに見事。
物語の完成度の高さ、完璧と言ってもいい構成に、読了後はしばらく言葉も出ませんでした。
さあ、作者様の圧巻の描写が織りなす美しくも重厚な異世界ファンタジー。
ぜひご覧くださいませ。 - ★★★ Excellent!!!愛と呪いが織りなす短編ファンタジー(哀愁系)の傑作!完結済み!!
完結まで読了。80分程度で一気読みした後、しばらくの間、傑作映画を観たような余韻に浸らせて貰いました。起承転結がしっかりとしたストーリーに加え、読みやすくも硬派な文体が中世東洋風の世界感と良くマッチしています。哀愁系でありながらも、希望ある美しい結末でした。このような作品を書き上げた作者と、本作品を紹介してくれたレビューアーさんに只々感謝申し訳上げます!
追記:レビュー後お布施しようと思ったのですが、出来ませんでした。このような素晴らしい作品を無料で読んでしまって申し訳ないです。是非とも多くの読者にこの感動を味わって貰えれば、と思います。重ねてですが、本作品、ありがとうございました。