奇箱

どの話もクオリティが高く面白かったです。一つ一つは短い物語なので気軽に読めて良かったです。

個人的にはリセットハウスが良かったです。

全話読んでのレビューです。

読み終えた感想は一言。「マジで怖い」
どの話も怖い。両腕総寒イボ。

この物語の秀逸な点はまず書き方にあると思います。
実話怪談の書き方といいましょうか。体験者が1人語りしていく方法で話が進みます。
そのため読んでいるこちら側は目の前で自分にだけ話されている感覚が強くなる。その分だけグッと没入感が増します。

次にホラーの鉄則。語り過ぎないが徹底されている。
怪異の原因はほとんどの話で語られていません。ただ起きた怪異が語られる。だからこそ読後に「いや、どういうこと？！」という恐怖が増します。


ホラー好きでも特に「怪談」好きな方。「新耳袋」を好んで読むような方…続きを読む

どの話も、読んだ後に思わず背後を確認したくなるような、そんな怖さを後味に残します。短編の連作ではありますが、話としては一話完結形式ですので、どの話を読んでもぞくっと手軽に恐怖を味わえると思います。
全ての話を読んだ後にタイトルを読み返すと……。ぜひご一読ください。

あー……現在０時42分。
こんな時間に読むんじゃなかった、と後悔しています。
自室が暑いのでTシャツ一枚ですが、冷や汗で体が冷えてしまいました。

怖い短編集です。

読んでいて思ったのは、話の運び方はとても上手いということ。

『序破急』ではなく、『序急破』といった感じです。
景色と人物の描写から始まり、不気味な雰囲気をじっとりと続けて、パッと空気を一変させる運び方は、書いている身として参考になりました。

また、話は短編の連作なので、非常に読みやすいです。

『ホラーは短編でこそ、光る』というのが作者様は分かっているのかもしれません。

語りすぎない所もホラー好きにとって、琴線に触れます。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（140文字）