概要
悪い状態から容易に抜け出せないこと。
2021/4/14(水)に「ほねがらみ」と改題し、幻冬舎より単行本発売決定です。
こちらは冒頭一章分の試し読みとして公開しています。
編集・校正によって書籍とは若干内容が異なっております。よろしくお願いします。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!怪奇小説とかは途中から謎解きミステリっぽくなるやつが好きです
ホラーです。
怪談の蒐集・田舎の因習・信仰や歴史などの要素がすべて一個の物語に集約していく、ロジカルで殴ってくる怪奇小説で、めちゃめちゃ怖いです!
そして、無料で読んでいいのか?と思わざるを得ない文字数とクオリティ。ものすごい知識量です。専門家の監修がいるのでは?と思いました。あと密度!密度!密度! ギリギリ8月13日に読めたのでラッキーでした。本当に無料で読んでいいんですか? 映画化してほしい。
私は怪奇小説とかは途中から謎解きミステリっぽくなるやつが好きで、「わからないもの」がわかるようになる過程にエクスタシーを感じるし、それが目当てで読んでいるトコロがあるのですが、「ほねがらみ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!なにかがやってくる
「怖い話を集めている主人公の元に怪談が届く」、そんなごくオーソドックスな序盤から徐々に徐々に、じりじりと這うように忍び寄ってくるなにものか。
様々な怪異・恐怖譚と、解釈・考察が積み重なっていく。だがそれにつれて闇は強くなり、影は濃くなり、重みが増していく。
光が当てられたはずなのに、その異様さは逆に際立っていく。これは何なのか。一部は見えているのに全体像が見えてこない。
ああそうか、これは、巨大すぎるのだ。自分はこんなに巨大なものに相対していたのかと気づいた時にはもう遅い。引き返せない場所まであなたは連れていかれている。
虚構も現実も越えて、あなたの胸の内にぽこりと生まれるものがあるだろ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!怖いとは、どうやって発生するか
全くの偶然だった
なんの意図も作為もなく、たまたまTLに流れてきたこの小説に興味を引かれ、読み始めた
……読み終えたのが、8月13日だった
たまさかである
運命などではない
けれど、その事実が恐ろしいと感じた
恐怖を司る対象には、どうしても格がある
格が下がれば――例えばトイレの花子さんを戯画化して異世界にでも転移させてしまえば、恐怖というのはたちまち薄れる
かといって、具体性に欠ければ、それは単なる現象として雲散霧消し、畏れを育むことはできない
それを踏まえた上で、この物語に関して、そう言った危惧は一切無用と告げておこう
怖い
はじめは漠然とした何かが
やがては認知した何者かが
ふ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!8月13日に読んでしまった
面白い。引き込まれ、謎が深まり、夢中になって読んでいて、ふと気づいたんです。今日は8月13日だと。
そして、作中エピソード名が「8月13日」だということにも。
その時は、さして気にしなかった。夏の話だよなと。
しかし、次もその次も「8月13日」なのだ、エピソード名が。そんなバカな。
どうなっている。もしや、自分はいつの間にか、この作品世界に取り込まれてしまったんじゃないかと、心底戦慄した。何が起きている。
「月遅れ盆迎え火ですよ」
と、聞こえたような気までした。
「まだ過ぎていない」まだ8月13日のまま、読み終えてしまった。。。
さあ、13日のうちに読み始めてください。今日…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「ホラー」というジャンルを初めて経験した
僕は、「ホラー」というものを読んだことがないのです。怖いのが苦手というのもあるんですが、「よくわからない」って言ったらいいのか。
僕が人生で読んだことのある「ホラー」というと小野不由美の『魔性の子」だけだと思うんですけど、あれは十二国記シリーズの中の一作として読んだのであって「ホラー」を読もうと思って読んだのではないし、読む前からオチを知っていたので特に怖いとは思わなかったんですね。さらに言うと、あの作品で描かれていた恐怖は、僕が十二国記の世界観を知らずに読んだとして怖いと思ったかどうか。
「怪異の正体を知っているのであまり怖くない」というだけでなく、たとえ僕が「魔性の子」を十二国記の世…続きを読む