概要
伯爵家の三男で、お見合い10連敗というレオンシュタインとメイドであるティアナは、父伯爵の急逝により、二人は追放同然に修行の旅へ出ます。けれども、レオンシュタインは旅の間に多くの人と出会い、やがて帝国を建国してしまうお話です。
※この小説は「小説家になろう」様のサイトで、同名で公開されています。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!優しい旋律が誘う愛しのファンタジー
公爵家の三男坊・レオンシュタインは、運命の日、足取りも重く、城を去った。一年間の修行とは名ばかりで、事実上の追放である。
お供は仮面の少女、唯一人。手持ちも少なく、あるのは毎日欠かさず練習するバイオリン。見窄らしくも、侘しくも見えるけれど、それで充分だった。
マスクで顔を覆った少女は、こう言う。
「あなたには光り輝く才能がある。バイオリンの腕前と誰にでも優しいこと」
それで充分だった。
主人公の優しさは、人と魅了し、仲間を呼ぶ。
彼の奏でるバイオリンの音は、行く先々の民を惹き付け、感動を呼ぶ。
──旅情と成長
一年の追放生活を終えた頃、彼の目の前には、見違える世界があった。厄介なこ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「監獄」を追放され、自由を与えられた第三公子と従者の行く末とは……!?
その醜い容姿によって実兄や従者らに虐げられ、鬱屈とした日々を過ごしていた心優しくも不器用な青年──伯爵家第三公子・レオンシュタインと、弱い立場が故に彼よりも遥かに壮絶な加虐行為に苦しめられていたメイド・ティアナは、些細なきっかけで彼らにとって「監獄」とも言うべき家を追放され、自由を手にした……。
(以下、第1章:旅立ちを読了後の感想です。)
まずは言葉選びが繊細かつ丁寧で、文学的センスを直に感じ取れることのできる地の文が好きです。時流に沿った「追放モノ」であり、定石を踏襲しつつも、オリジナリティ溢れる独特な世界観と、ルッキズムに対する風刺的な要素も相俟って「異世界ファンタジー」とは銘打っ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!理不尽に始まった旅が、かけがえのない出会いをもたらす。
父が死に、伯爵家の三男坊レオンシュタインに言い渡されたのは修行の旅1年間。
同行は仮面のメイドただ一人。
事実上の追放に近い状態で放り出された2人の旅が今の所のメインになります。
誰にでも誠実で素直に他人の才能に目を見張り、賞賛を惜しまない主人公の周囲に少しづつ様々な人が集ってくる様は読んでいて非常にワクワクします。
旅の途上で別れたあの人はまた出てくるのかな?と考えつつ読むのもまた一興です。
舞台は中世ドイツが下敷きと勝手に推定しておりますが、街中の様子、行き交う人々の表情が丁寧に読みやすい文体で、とても生き生きと表現されているのも魅力の1つです。
後はもうこれ、飯テロでしょ!と…続きを読む - ★★★ Excellent!!!穏やかなれど、一つボタンが掛け違うと危うい二人の旅
レビュー時点で最新話(23話)まで読んでのレビューになります。
城で育った世間知らず、かつ180cm100kgの巨漢レオンシュタインと、仮面はつけているが絶世の美少女ティアナの二人が旅をするお話……なのだが、色々と危なっかしいところばかりである。
ティアナには魔術という戦闘能力もあるのだが、それでもやはり城育ちの坊ちゃんであったレオンに世間の風は冷たく、何度も試練を与えてくる。
そんな二人が出会う人が優しく、二人を助けてくれるのが本当に救いだと思った。
もし、悪心を抱く誰かと出会い、罠にはめられたとすれば、こんな穏やかなお話にはならなかったろうな、と思わされる。
ただ、レオンも人の顔を窺っ…続きを読む