カワセミ

創作の参考になるお話が満載かつ、さらっと読めてしまいます。
作者様の軽妙な語り口もとても面白いです。

社会の底辺に生きる青年と、家族から冷遇される上流貴族の子息の出会いと救済の物語です。 犯罪の告発から放免へとなった誠は、置かれた環境に染まって生きていかなければならない、という鬱屈…続きを読む

日常に疲れ切って、目の前に墨の流されたような不意の絶望に襲われることがあると思います。そんな気持ちを抱えた人に読んで欲しい、優しいエールの物語です。

サンタクロースを信じていた子供の頃のことを思い出させてくれる素敵な物語です。 信じるって大事ですが、実際はなかなか難しいことです。けれど、信じ抜く事ができれば奇跡は起こり得る、だか…続きを読む

清少納言と中宮定子の視点を交互に行き来しながら、『枕草子』のエピソードを丹念に織り込んだ物語です。作者様の独自要素も取り入れられていて、主従の美しいお話として楽しむことができます。…続きを読む

絶対王政を瓦解させたフランス革命は現在でも、肯定的な評価がまま先に立つこともありますが、反面、有名無実の裁判による死刑判決や内ゲバ闘争による政治の遅滞など、その血生臭さとともに混乱…続きを読む

テンポの良さと勢いがあって、息をつく間もなく読ませてくれます。 驚天動地の変態死神男クニマサが大暴れする世界を、女子高生二人組が駆けずり回り、脇役の小説警備員阿部のキャラクターも小…続きを読む

全四部構成の物語は、平安時代と現代とをダイナミックに、違和感なく繋いでくれます。 物語の核となる、屈折した平安時代の姫が、呪いを受けるまでの過程と、その人間性に共感することは難しい…続きを読む

主人公の裕佳子が母を亡くした時点から物語が始まります。 残された家族である父との関係の再構築を縦軸に据え、横軸に、転校先の高校で出会う同級生たちとの交流が描かれ、その中で主人公が成…続きを読む

恋の入り口の初々しさがたまりません！
寛弘の四納言にときめきを抱えている人は結構多いはず。
組み合わせ（笑）は人それぞれとは思いますが、ご覧になって損はない物語です。ぜひご一読を。

作品を一言で表すならば、重厚さでしょうか。 2人の人物を縦軸に、様々な人物が緯糸を織りなし、かつそれが違和感なく展開されてます。物語の構成が緻密なので、読む者をぐいぐいと引き込んで…続きを読む

まだ序盤ですが、とても雰囲気のある物語です。 独自の世界観でありながら、焦点は少女達の日常や身近な仲間たちへの気持ちの向き合い方などが丁寧に描かれていて、惹きつけられます。それぞれ…続きを読む

桶狭間の戦いを魅力的に描き出した短編ならではの意欲作です。場面変化、情景描写、人物についての言及が必要最小限に削ぎ落とされた結果、一種、舞台演劇的な想像力を掻き立てる効果に繋がって…続きを読む

作歌のための決まり事が端的にまとめられていて、とても勉強になります。
作者様の人となりに触れられるお話も興味深いです。

出てくる料理は毎回大変美味しそうですし、その後のお約束の殺戮描写は恐ろしいというよりもやや奇妙で狂気じみているのが、ラヴクラフトらしさがあって毎話サクサク読めてしまいます。 語り手…続きを読む

食事は体の資本だが、調理に時間はかけたくない。 一番は大量の野菜をスープにすること。 作ったものを三つに分けて、一つは肉、一つは魚、一つは溶き卵を投入。 出来上がったら小分けにして…続きを読む

作者様の平安時代の文物に対する詳細な知識が物語にちりばめられていて、想像力を刺激してくれます。それでいて題材である陰陽師ならではの戦闘シーンもカッコいいので、とても楽しく読める作品…続きを読む

昭和の時代感の表現が巧みです。 短編で惹きつける要素の一つに、具体的な描写で説得力を増す方法があると思いますが、こちらの作品では主人公の内面を炙り出すために効果的に働いています。 …続きを読む

創作について、に端緒がありながら、それ以上に読む人自身の人生に語り掛けてきます。「あなたは今のままで大丈夫？」と。普段の私たち自身を顧みて、少しだけ今以上の生き方をしたい、しなくて…続きを読む

NHK大河ドラマの花形時代設定と言えば戦国、江戸、幕末、など様々ですが、2024年の大河は珍しく平安時代のお話です。
皆さま、こちらを読んで概論を履修しておきましょう！

治水という世代を跨ぐ程の大事業においては、人ひとりの労苦が埋火の明かり程の仄かなものである事、そしてまた同時に、血肉の通った人々の偉業の積み重ねである事、その両面が、伊奈忠次の人生…続きを読む

この物語は知らなかったのですが、現代語訳が大変丁寧かつ、わかりやすいのですいすいと読めます。作者様の古典への造詣が深ければこそのこの贅沢を味わえると思うと大変ありがたいです。古典好…続きを読む

応仁の乱が終わった後、渦中にいた人々の物語です。 どれほどの戦禍が巻き起こった、あるいは巻き起こしたとしても、生き残った者はその後にも生きていく、そして、その人々すらいずれ死んでい…続きを読む

まだ二部までしか読んでいませんが、尻上がりに面白くなっていきます。 冒頭は主人公の悪役令嬢への信頼度が低く、疑いを持っていて、それが証拠と丁寧な推理によって少しずつ解きほぐされてい…続きを読む

作者様はどうして朧月夜の尚侍を、主人公に据えたのか？ 紫式部は源氏物語に「女子たちこんな男に気をつけてね！」と言う意図を隠したとも言われていますが、このお話はまさにその意図を汲んだ…続きを読む

紡がれる言葉の端々まで美しく、情景描写は大変巧みなので、アニメーションを見ているように脳内で再生できます。
イケメン揃いなのも高ポイント！
素晴らしい作品です。

まだ序盤までの感想ですが、初めから盛り上がりがあり停滞することなく魅せてくれます。脇を固めるキャラクターも魅力的です。主役二人のビジュアルにときめくことも間違いなし！

殺伐とした浅右衛門の生きざまに引きまれました。 登場人物全員が腹に一物を抱えていて、何を考えているのかどう展開するのか、予想が立たずにそれが物語を読み進める動機付けになります。 筆…続きを読む