「枕草子」の清少納言と、その仕えた相手である、中宮定子。この二人の関係、私は上司と部下というか、忠誠を尽くす尽くされる関係と思っていましたが、このお話を見て、それが変わりました。文章を愛し、逆境を生き……という二人。この二人には、こういう……愛という言葉こそ、その関係を称するにふさわしいと思いました。「いとをかし」という形容が似合う、ふたりの惹かれ合う女性のこころを描いた逸品です。ぜひ、ご一読を。
清少納言と中宮定子の視点を交互に行き来しながら、『枕草子』のエピソードを丹念に織り込んだ物語です。作者様の独自要素も取り入れられていて、主従の美しいお話として楽しむことができます。『枕草子』って? 清少納言って? 中宮定子って? そんな初めての出会いにぴったりの作品です。
ついこの間『枕草子』(少年少女古典文学館)を読んだばかりだったので、『花と追憶』に目を通しているときすごく高揚してました。作者様が『枕草子』をベースにしながら少しの脚色を入れて己の物語として昇華していることにとても感心しました。雰囲気もとても上品でしっとりしていて、うまく言語化できないのですが一言でこの作品を表すとしたら「美しい」ではないでしょうか。清少納言と定子様の主従の枠におさまりきらない「絆」に魂を揺さぶられ、いつか私もこんな物語が書けたらいいなと思いました。これからの活躍も期待しております。素敵な作品をありがとうございました。
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