青春の追体験がしたい方へ。

主人公の裕佳子が母を亡くした時点から物語が始まります。
残された家族である父との関係の再構築を縦軸に据え、横軸に、転校先の高校で出会う同級生たちとの交流が描かれ、その中で主人公が成長していく様子が丁寧に語られます。
不思議な少年の存在を通して同級生の川野の秘密に触れていくことにより、主人公の気持ちも少しずつ変化します。やがて少年の正体が明かされることによって、周囲の人々にも変化が訪れ、爽やかな結末へと導かれます。

一人ひとりの人物を応援したくなる瑞々しい物語です。ご一読を。

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