昭和の時代感の表現が巧みです。短編で惹きつける要素の一つに、具体的な描写で説得力を増す方法があると思いますが、こちらの作品では主人公の内面を炙り出すために効果的に働いています。その人物が時代の流れの先にどう帰結するのか、本人が行き着いた結末に納得と充足を得られることでしょう。…と思いきや、明らかな矛盾が潜んでいます。これは作者の読者に対する何某かの挑戦なのか、読む者に受け身でいることを許さない作品です。ぜひご一読を。
昭和のおもみを感じる短編小説です…!将棋指しの凄み、たまらん。