★★★ Excellent!!!
本格、重厚、ダークファンタジー! 加須 千花
はじめの「セントバ大図書館[設定編]」は、本当に設定だけで、恐るべきボリュームと情報量を誇ります。
読んでて、「あっ、覚えきれんやつ……!」となった馬鹿がここにいます。
世界観がきめ細かく重層的に作り込んで……つまり、いくつかの国と、いくつかの神話と、魔法のいくつかの流派(成り立ち含む)です。
こういうのが好きな方は「くっはー! 燃えるぜ!」となると思います。
まあ、覚えきれなくても、なんとかなります。
でも、一読しておくことをオススメします。
次の「Kissing a fool (before the epiloge)」は、物語のクライマックス、最後のちょっと手前が切り取られて見せられているかんじ。
1、重唱と、2、六十五番目の狼の時間軸が、ふっ、と飛ぶので、注意。
その後、「Let The Bad Time Rall」 からは、なめらかに中世のようなファンタジーが語られます。
主人公の剣士は、めっちゃ強いです。ちょっと陰を感じるキャラですが、人を助けたい、その思いを手放すことはない主人公です。
暴虐のシーンも、「モザイクをかけない描写」なのですが、迫力の戦闘シーンと、それぞれ思い悩むキャラ達の心情が細かに描かれます。
自分から逃げようとした女性キャラが、立ち向かわなきゃ! と読んでて光を感じるシーンもありますし、読みすすめても謎のベールを分厚くまと…
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