剣戟と格闘 魔導と魔術 情報と量子 全てが溶け合い揺蕩う土地リードラン

圧倒的な情報量。
複雑に絡み合ったプロットと伏線。
一度読んだだけでは 処理しきれるモノじゃないとある程度諦めて読み進める。
そして 一度ストーリーを追ってから もう一度戻って反芻し その緻密な構成と世界の真実に震える。

そんな読み方をお奨めしたいと思うのです。


もちろん流麗な文章と火花の散るような剣戟と格闘。
おぞましい亡者共が蠢く荒野を征く〈宵闇の鴉〉アッシュ・グラントを廻る英雄譚としても出色の出来なのです。
リードランを生きる赤髪の姫君 〈色欲〉の吸血鬼 防衛隊の隊長 酒場の親爺 貧民街の少年少女 名も無き市井の人々に至るまで 血肉のある存在として 時に気高く 時に美しく 或いは 少し醜くかったり 小狡かったりする 生き生きとした描写 それだけでも水準以上の素晴らしい物語なのです。


でも だからこそ 二度三度と立ち返り読み返して 彼らの〈生〉の意味 〈存在〉の意味を考えていただけたらと思うのです。

それが【アッシュ・グラント】を廻るより壮大な物語を読み解く〈鍵〉となると思うのです。

〈剣と魔法の大地〉リードランの謎を廻る最高にスリリングで知的なエンターテイメント小説。
第一部完結まで あと僅か。
是非 今こそ手にとって頂きたいと切に願います。

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