アフター•C=ジャスティア。とあるトレジャーハンターは、手にしたその本を我慢できずに開いた。
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主人公スルトは、霊魔と呼ばれる魔物の群れに父親と共に囲まれてしまう。
しかし父親は決して臆することなく自らを巨大な人の狼の姿へと変え、圧倒的な力を以て消滅させた。
霊臓、ソウルハート。
悠久の時を経て託されてきた力というそれを、スルトも発現させるのだが。
視界を染め上げるほどの荒々しい炎で霊魔を焼き尽くす様を見て恐怖を覚える。
「それはお前が優しい心の持ち主だからだ」
『霊臓』は使い方次第で人を守ることも殺すこともできる。
だからこそ父親の「人を助ける男になれ」という言葉に導かれ、彼はフェンリル騎士団入学を目指す…!
入団試験の当日。山のように大きな巨人の群れが自身を陛下と呼ぶ夢を見る。
彼の正体とは、そして『霊臓』がもたらす未来とは!
重厚なるダークファンタジー、始まります!
皆を守れる正義の味方になりたい。
小さな頃から、純真にそう願い、騎士の修行に励んでいた少年が主人公のファンタジー作品です。
だけど、彼の力は強すぎました。
あまりに強すぎた。
そんな少年が、血で血を洗う戦乱の時代に生まれてしまったら、どうなるのか?
彼は自分が夢見た正義の味方でいられるのか?
その答えは、夢である本物の騎士となり、初陣へ挑んだとき、〝正義の味方〟の現実を知る事になります。
そこで見た戦場の光景は、そこで彼が求められた行動は、彼が目指していたものとは何もかもかけ離れたものでした。
そう、正義の味方など求められていなかった。
暴力によって相手を廃除する力しか、求められていませんでした。
そして、彼はそんな正義の味方とはかけ離れてしまった自分を、否定するしかありませんでした。
これは、そんな自分の何もかもをも否定した、正義の味方のなれの果て――炎魔と呼ばれるものが、一人の人間として再生していく物語です。
ある日、少年は夢を見た。
巨人たちに崇められ、陛下と呼ばれる夢。待っていた、と。
『我ら一族は、陛下に絶対の忠誠を誓います』
少年は否定する。それは自分ではないと。しかし巨人は言う。
『四千年前より存じております。尊き陛下の御名、忘れるはずがございません』
少年は目が覚めた時、そのすべてを忘れていた―――。
主人公スルトはフェンリル王立騎士団に入団するため、試験を受けていた。結果はもちろん入団を認められる。彼には譲れないたったひとつの信念があった。それは、
『テミスの使徒であり、テミスの剣として王国の敵を打ち砕く使命を持って生まれた』
という、妄信じみた思想。その台詞は作中序盤によく彼が口にするのですが、この信仰心が後にあんな大惨事を招くとは、主人公も読者も想像していなかったはず····。
この物語はテンプレを排除し、新たな試みで練られた、作者さま渾身の作品となっており、分類的にはダークファンタジーとのこと。確かに、これはダークファンタジーであり、仲間との絆もあり、なによりも主人公が苦悩しまくる成長物語。
純粋にファンタジーを楽しみたい方はぜひこの作品に触れてみると良いでしょう。
中盤から出会う新たな仲間も超魅力的✨で、バランスがすごく良い。仲間と出会い、主人公がどのように変化していくか、この辺りも楽しみな作品です。もちろん、バトルの描写も素晴らしく、読んでいてハラハラすること間違いなし!
プロローグが鍵になる気がするので、こちらもお見逃しなく(*'ω'*)b
オススメの作品です♪