成りたかったものは正義の味方。成ったものは炎魔と呼ばれる虐殺者。

皆を守れる正義の味方になりたい。
小さな頃から、純真にそう願い、騎士の修行に励んでいた少年が主人公のファンタジー作品です。

だけど、彼の力は強すぎました。
あまりに強すぎた。

そんな少年が、血で血を洗う戦乱の時代に生まれてしまったら、どうなるのか?
彼は自分が夢見た正義の味方でいられるのか?

その答えは、夢である本物の騎士となり、初陣へ挑んだとき、〝正義の味方〟の現実を知る事になります。

そこで見た戦場の光景は、そこで彼が求められた行動は、彼が目指していたものとは何もかもかけ離れたものでした。

そう、正義の味方など求められていなかった。
暴力によって相手を廃除する力しか、求められていませんでした。

そして、彼はそんな正義の味方とはかけ離れてしまった自分を、否定するしかありませんでした。

これは、そんな自分の何もかもをも否定した、正義の味方のなれの果て――炎魔と呼ばれるものが、一人の人間として再生していく物語です。

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