幸せの青い鳥は、お前の顔に痣を刻む。

幸せとはなんぞや。

そんなテーマを九千文字で、どこにでも居そうな男の日常生活を通して描く短編でございます。

幸せになりたいと心の奥底で願いながらも、その資格はないと信じる男が主人公。

そこで描かれる日常は、男が自分で言うように、わりとどうしようもなく絶望的、幸せとはほど遠く――に見えますが、果たしてほんとうにそうなのか?


そんなお話しが巧みな筆致で描かれます。
冒頭の、『画用紙に人それぞれが何を描くか』で語られる人生観のくだりが、わりと名文ですので是非とも読んでいただきたいですねえ。

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