幸せの青い鳥は、お前の顔に痣を刻む。
- ★★★ Excellent!!!
幸せとはなんぞや。
そんなテーマを九千文字で、どこにでも居そうな男の日常生活を通して描く短編でございます。
幸せになりたいと心の奥底で願いながらも、その資格はないと信じる男が主人公。
そこで描かれる日常は、男が自分で言うように、わりとどうしようもなく絶望的、幸せとはほど遠く――に見えますが、果たしてほんとうにそうなのか?
そんなお話しが巧みな筆致で描かれます。
冒頭の、『画用紙に人それぞれが何を描くか』で語られる人生観のくだりが、わりと名文ですので是非とも読んでいただきたいですねえ。