信奉する女神と決別し、己の正義を信じて突き進む! ただ未来を信じて

ある日、少年スルトは啓示をうけます。
立ち上がれ、目覚めよ、と。

それを信じ、彼は「テミスの剣」として女神に命を捧げ、王国に忠誠を誓ってフェンリル騎士団に入りました。

尊敬する先輩。心を許せる友。守るべき国民。誇らしい使命。
充実した生活を送っていた彼に、国王は突然非情な命令を下します。

敵軍打破のために、隣国を焼け、というのです。

それが平和のためになるのだ。王国のためになるのだ、と。
スルトはそれを信じ、敵軍何十万人を消滅させます。

その結果、何が産まれたのか。
新たな戦乱が産まれ、先輩や友、師は死に、国土は瓦礫と化しました。

「自分の信じた神とはなんだったのか」
スルトは深い反省と悔恨にさいなまれ、祖国を発って旅に出ます。
そして出会う、新たな友。
そこから知る、戦乱発端の真実。

なんかこう書くと、ものすごく暗くてじっとりとした物語かと思いますが(というか、私は序章でそう思っていました)、1章からはどんどん明るく、時にコミカルに物語が進みます。

キャラクター同士のかけあいもテンポがよく、だからこそスルトの心の闇が対比として濃くなるような気もします。

物語にはどうやら壮大な謎と伏線が張り巡らせており、いまだその全容は見えていませんが、個性的なキャラクターも多く、興味は尽きません。

スルトの贖罪の旅。
どうかみなさまもお付き合いくださいませ。

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