応仁の乱が終わった後、渦中にいた人々の物語です。どれほどの戦禍が巻き起こった、あるいは巻き起こしたとしても、生き残った者はその後にも生きていく、そして、その人々すらいずれ死んでいくという事実が、抑制された筆致、研ぎ澄まされて無駄のない言葉で語られていきます。各人の行動理念が語られ、それらが結実したラストは静かな感動を呼ぶ。美しい情景が目に浮かぶ作品です。
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