概要
もう、幸せなんか手に入らない。そんな資格もない。私は全て失った。
舞台は平安時代。投獄されていた青年・誠は昨年、新帝即位の際の大赦で放免となった。
放免とは検非違使庁の下っ端で、「毒を以て毒を制す」という考えの下、前科のある元罪人を犯罪者の捕縛や汚れ仕事にあたらせるもの。その性質上、乱暴者や手癖の悪い者がほとんどである。彼ら自身が犯罪事件を起こすことも多く、民には盗賊と同列視されるほど恐れられていた。
厳しい牢獄生活から解放されたとはいえ、「あの時」の事件で頼る人を全て失って孤独の身。憐れな罪人達の姿に過去を思い出したり、がらの悪い放免仲間達に仕事を押し付けられたりと辛い思いをしながらも、誠は全てを諦めて日々を過ごしていた。
そんなある日、上流貴族の子息・雅近と出会う。雅近は、放免でありながら礼儀正しく真面目な誠に興味を抱き、従者として雇おう
放免とは検非違使庁の下っ端で、「毒を以て毒を制す」という考えの下、前科のある元罪人を犯罪者の捕縛や汚れ仕事にあたらせるもの。その性質上、乱暴者や手癖の悪い者がほとんどである。彼ら自身が犯罪事件を起こすことも多く、民には盗賊と同列視されるほど恐れられていた。
厳しい牢獄生活から解放されたとはいえ、「あの時」の事件で頼る人を全て失って孤独の身。憐れな罪人達の姿に過去を思い出したり、がらの悪い放免仲間達に仕事を押し付けられたりと辛い思いをしながらも、誠は全てを諦めて日々を過ごしていた。
そんなある日、上流貴族の子息・雅近と出会う。雅近は、放免でありながら礼儀正しく真面目な誠に興味を抱き、従者として雇おう