第40話

うーん…普通、こんなみんながいる場所に渡しにくるだろうか。


結構、肝が据わっている人なのかなこれ。

医局長なんか「人気だな。」とか感心しちゃってるし!


でも、やっぱりちょっとモヤっとしてしまって。

少し後ろにいた私は、さりげなく龍太郎の背中付近の白衣を少し引っ張る。


すると、龍太郎は私の手の上から自分の手を被せて

「ごめんなさい。

俺、大切な人がいるんだ。


その子のことしか考えられない。

だから受け取れない」



驚いた。

でも…嬉しい。

こんな風に言ってくれるなんて…。


私は嬉しいが、勿論、目の前のナースは目が点。


それだけではなく、医局長、荒川先生、犬男までも同じようになっている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る