第4話

今日はいつものように出勤。

ものすごい雪で病院までの足取りが重くなる。


「あー。滑るなこれ…」


家を出て少し歩くと、雪かきなんてされていない道にぶつかる。

そこで呟く独り言。


もう見送りした家族は、薄着だからか姿が見えなくなるまで見送ってくれる…なんてことはなく、もちろん中に入ってしまった。


誰からも反応はないが呟かずにはいられないほどの大雪。



「っくしゅん!!」



まずい…かなり寒い。


お母さんめ、自分が寒いからって…数歩歩いて振り返ったらもうドア閉まってたもんな…。


風邪引きそう。


靴はもう浸水したし、さすがにタクシーはないな…頑張って行くか…。



そう思いながら歩き出す。

…が。




ズルッ



「わっっ」


ズルッ


「ぎゃっ」


ズルッ


「うひぃっ」


ズルッ


「わぉっ」










「…滑りすぎじゃない?」

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