第9話

――――――――――――――



時は過ぎて受付時間も終了。

夕方になった。



私の外来時間でも、救急車で運ばれた患者さんや、入院中で具合悪くなった人…など、とりあえず忙しかったようで、昼過ぎに戻るとみんなほとんど医局にいなかった。



今は犬男はなんだかぐったりしてる。


医局にいる私たち以外の他のグループの先生方も同様に、かなり疲れているみたいだ。


そうそう、外科には私たち5人のグループ以外にももう1つ同じ人数で仲間がいる。




そんな中。

「じゃあ、俺は先に帰るよ」


後藤医局長が荷物を持ち言う。



「今日はお疲れ様でした。

ほとんど休む暇がありませんでしたね」




肩を回しながら言う氷室先生に、


「まぁな。

でも、今日は娘とデートだから疲れも吹っ飛ぶもんよ。

で、明日は李莉と…」



医局長は疲れながらも嬉しそうな顔をする。


李莉(リリ)さんっていうのは奥様。

かなりの美人。




私も午後からの仕事で疲れていたが、医局長の幸せそうな顔を見るといくらか疲れが取れる。

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