第24話


「あっ…ん…」


必死に声が出ないように堪える。

しかし無理だ。


久々の感覚に、本当に何も考えられない。

ただ、声を出してはいけないということはわかる。


彼はそれを知ってか知らずか、私の唇を自分のもので塞ぎ、動きを次第に速くする。


時々くる大きな一突きに意識が飛びそうになる。



「んっ…」


私の中で何かが弾けたとき、熱いものを奥で感じた。




それからしばらく余韻に浸り、彼が私から出ていった。

寂しいだなんて、もちろん言えない。


お互い服を正してまた口付ける。

だんだんと冷静になっていくものの、まだ浸っていたいと思ってしまう。


彼は私を見て微笑みながら、ぎゅっと抱き締めてくれる。

好きだ、と思った。






…暫くして、冷静になった。


「ちょっと!

こんなところで何してんの!?」


やっと反抗できた。


「だいじょーぶっ。

バレなきゃOK!」


「…本気で言ってる?」


久々に見る、お茶目な感じに可愛いと思いつつ、珍しく悪いことを言ってのける彼に驚く。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る