第23話

ほぼ力の入らない手で抵抗しようとするが、無意味。


恐らく、彼も気付いているはずなのに、止まらない。

というか、止めようとしないというのが正しいだろう。


右手が中に入ってきた。

さらに奥まで彼の指が侵入してくる。


その間にも口付けは止めず声が漏れてしまう。


彼の指が動き出し、体が震える。

もう片方の手の動きも速くなる。


もう何も考えられなくて、彼の服にしがみつくしかなかった。


そろそろ私の中で何かが弾けそうになったとき、全てが離れていった。


「…え?」


わけがわからないという感じで相手を見ると、彼は笑った。

その微笑みに、思わず見惚れてしまう。


…が、次の瞬間。

左膝を抱えられて中にさらに温かいものが入ってきた。


「…っ!」


驚きと、気持ちよさと。

何も考えられない状態で、もう身を任せる以外の選択肢はない。


さらにもう片方の脚も持ち上げられて、体が宙に浮く。


いつの間にか医局長の机の横の壁に押さえつけられていた。


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