第3話Fear/Unknown

“Once those hands be there, the way for salvation shall be closed.”


 沈黙の言葉、小さくある雑な部屋、空虚なる瞳が冷たい夕食を。隠してみても、その顔が悔しさを滲んでいる。


 怖がっている人の感情も等閑な男は、何回も部屋を出入りして、何回も彼女の顔を見てきた。ずっと同じ顔に限りなく、その瞳は虚しさだけではなかった。


 時には涙が零し、時には顔面を震える手で隠し、時には恐怖な瞳、時には真っ赤な目、時には窒息、時には意識を失った。


 罪を犯して身を潜めるから、頼りできるものがいなくなった。彼は絶望に満ちる顔を見て、傍観者であるように、悩みながら可能な方法を考えている。何も果たせぬ、冷淡よりも愚かみたいである。


 数時間、後少しで一日も経ってしまい、気づいた男は養ってみたら、無理やりに食べさせた夕食が吐き出され、苦しい音と共に。その後、彼女は液体に汚れる床に倒れて伏せている。


 迷っていて、染みる汚れを消して、彼女を運んでベッドに横たえる。疲れる身体で全部片付けて、清潔にしようとしている。


 数時間も経って、部屋が綺麗になっても、彼女はまだ寝られなさそうと見たら、テーブルに頭を何回も叩いている。同時に、それを見るものがいる、真逆な視界で。


 その瞳に見えるのはただ血塗れの風景であり、怒っている男が文句し怒鳴りして、全部を壊し続けている。苛立て、ナイフを拾って、彼女に向かってゆく。


 首を絞めて、何もできない彼女はただ哀れに泣いている。全てが暗くあり、全てが真っ赤であり、全てが薄れてゆく。意識が少しずつ消えて、怒りの声が大きくなる。


 全てが無感覚になって、視界も真っ黒になったから死んだと思ったのは、気づけば手も身体もベッドが朱くなり、掴めるのはナイフ、死んだ男の胸に。


 鼓動が異常に速くなり、身震いして、罪悪感に戸惑っている。無視しても、ずっと頭に浮かび、嫌な囁きが耳元に、心の中の幽霊になる。苦しくなっても出られなかった音がやがて叫びになる。


 疲れ果てた男が眠り込んで起きたら、彼女の叫びを聞こえたと思ったが、ただの夢だと考えている。確かめるため、ベッドに近づいて、毛布に身を潜める彼女を見つめる。


 振り向けば、窓向こうには小さく遠そうな灯りが見えて、近づいているようだ。確認してみたら、手が掴められ、離れないようと、言葉のないままに。


 動かずにもう一度振り向けば、衝突の音響が鳴り響き、壁の穴から光に包まれる男の姿が衝突し、壁に押し付ける。


 毛布に隠れるまま、彼女が窒息しながら除いてみる。頭の中がただ可笑しくなると、涙が零れ落ちる。それでも、その嘆きが終わってゆく。


 筋骨隆々な男の攻撃を手でブロックして、足掻きのままに。無傷と見て、白髪の男が笑って、興奮している。


「ハハハハ!二人の一人が最初の十人(ヘンケ)であると感じられたが、お前だろうな!名前を言え、一番目だったら楽しくなるから。そして、その力の全てを俺に見せろ!!」


 言ったこと全てを無視して、格闘にしている。素早く殴りつけて、蹴りつけて、敵の動きを読みながら避けている。そうしていても、ナムリョンの攻撃はあの男には無効のままである。


 戦いを軽くにして、反撃を打たずに、彼が何もかも語っていて、何もかも説明しているが、珍紛漢紛と聞かれ、理解できない言葉と、まるで昔話の言葉ばかりである。


 そうである中、傍観者の一人が自分に、心の中に問いかける。なぜナムリョンは全力にしないと、なぜ弱そうと、本人に聞きたい質問である。


 あんなものが浮かぶのは悩みのためであった。心配して、心配しすぎて、起こらないことも想像している。


 起こらないでしょう?さっきからも想像だけが増えていて、本物なんか一つもなかった。勝ってるよね?生きてるよね?そうだね、絶対に、絶対に……。


 怖がっていた彼女は目を開けて、真実を知るために。知ったら、感情が直ぐに変わって、全てが朱く見える時。


 投げることもできずに、何も避けられなく、抵抗し続けるナムリョンが投げつけられ、蹴りつけられ、傷が裂かれている。


 身体の中の血が零し続けて、目が見えなくなり、身体が痺れている。敵は笑って、笑いながら楽しめて、飽きたら胸に手を突き刺して、穴が見えるほどに。その時、一つの戦いが終了。


「弱すぎるな!まさか、隠れて逃げている臆病なものこそが最初の十人ヘンケであると、まあ確かめようか……」


 見つけられたと気付いた彼女は、本能通りに少しずつ後ずさり、悲鳴を隠しながら。男が毛布を触った時、逆転の合図が後ろに。


 白いオーラに覆われて、ナムリョンは長い槍を召喚した。怒りのままで、再戦を。微笑む向こう側は、興奮のままで、再戦を。


 ビルも崩れそうほどに、圧倒的な二人の力で。再戦に向かっている中、男の顔、その微笑みや笑い声、何故か変である。怪しくても、構わずに来る敵に飛び出す。再戦が始めかけた時は、謎の足音が二人を止めさせる。


 毛布の中、何も感じられない、何も見えなくて惑われて、起こることを知りたくても、出るにはまだ怖くある。


 驚かせる、それはナムリョンの顔だけではなく、強力な敵の顔も。スーツを着ている男が壁の穴から入って、ゆっくりと歩いたが、音なきで即座に敵の前に。


 ナムリョンが立ち止まる中、彼女は覗いてみるが、早すぎる何も見えない。敵には拳に限られず、機関銃と銃弾の弾丸も。


 押し付けられ、敵が前方に行くが、謎の男が刃を。急に、また敵の表情が変わって、また笑っている。


 殺人鬼の声が止められ、斬撃が敵の胸に。最初は驚かせたが、何かが気づき始める時、また表情が変わった。


「お前だ!お前だ!お前だ!!お前は、一番目だ!!今夜は最高だな!楽しめたぜ!だが、今夜はここまでだろう。また会おう——」


 轟轟たる反響がビルを揺らし、四方に青い光の柱、それぞれに青い鎖が真ん中に立つものを絞めている。数秒後、全てが一つになり、スターダストに包まれる。

「今ならまだ早すぎるだろう。」


 全てが解き放って、青い光が消えると共に、敵が姿を消して逃げた。追いかけずに、謎の男はただ台無しな部屋を静かに見ている。


 ナムリョンがまだ驚かせる中、彼女は毛布から出ることに決めて、同じく驚かせるためだけに。驚かすのは圧倒的な力ではなく、男の姿、村山誠志郎の姿であった。


“People keep fighting, yet these hands keep trembling.”

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