第16話Injustice/Crisis

“Justice is nothing but a meaningless term under the disparity.”


 死人が屍者と戦い、難渋のないままに敵を全滅する。祝福のような今なら、誰もが不満を見せないはず。何故なら、苦しめている人の数が減り続けているから。


 不満を表す批判のような声を出した人なんか今も存在していない。どうしても、みんながこの秩序の中で幸せになるはず。


 差し詰め、こんな穏やかな日々に不満している奴があれば、それは恩知らずの人だけで、無視しても問題ない。それより、あんな奴の要求に従うと、もっと文句が次々と相次いでいて、ただ意味のない迷惑になり、進行の足止めになってしまう。


 何も知らない奴だ。無知識の奴だ。この世界がどう動くのもまだ知らないくせに、奴らは戯言を言い続けて、数を増やしている。結局、奴らは気づき始める時が来るから、自由にさせても構わない。


「天上会って、中々偉い名前だね。十人だって、全人が耳のない奴だらけか?ああ、苛つく。何回まで言い続けても、一言も届かれないみたいだ。クソ!!」


 本当に同じの屍者なのか?奴らの言ったことを信じてもいいのか?全然現実に一致していないけど。報告したら、奴らは本当にそれを調べるのか?


 ——ねえよ!信じてたまるか!?元々奴らのアプローチは洗脳のように、誰もみんなが命令に盲信して従うとする。少しの反対でも受け入れない奴に過ぎない。最初から信じたことだけが本当であると思い、現実が少しでもずれたら、それを一斉に拒む。


 ごめんな、心の狭い人たちよ。俺たちはもうそんな言い訳には聞こえる耳なんかないんだ。盲目的に命令に従う奴をまだ求めるなら、仕方なく俺たちが反乱を始める。


 まあ、それもみんながもう準備ができたからの話だからさ。数なら問題じゃないけど、こんな人たちならばいつまでも始められると思うか!!


「はい!はい!燃え上れ!燃え上れ!腰が痛くなるまで狂えよ!!」


 数の多い人を集めるのが上手すぎて、自分の愚かさを周りに放射するあの人はヴィクターと呼ばれている。簡単に言うと、人の心を燃え盛るタイプだ。


 最初に会った時は同じく死人となった頃だった。当時、死人ではない二人がヴァーゲに遭遇し、倒壊されたビルの中で閉じ込まれて、そして瓦礫の下敷きになった。


 逃げる時から、隠す時、最後は下敷きになった時も、彼の言葉が楽観的な言葉だけで、呑気な奴だ。うるさいほどそれを聞かせて、飽きる程度を超えるまで聞き続けていた。


 激励の言葉よりも、軍隊を指揮するような大声だった。出血しているのに、あの口が全く閉じられなかったんだ。恐らく、それを最後まで聞いてくれたのは俺だけだった。


「像のように立ち続けるつもりかい?こんなに大騒ぎパーティーがあるぞ!年下に負けないで、アンワル。ほら、もっと燃え上れ!燃え上れ!!」


 なんて定型的なセリフだ。パーティーなんか嫌いじゃないけど、タイミングが悪いと思うだけだ。すぐに行動しないと問題が続いている。一方で、楽しませる時間が必要であるみたいだ。


 大抵、参加している連中がこの新しい“屍者”の被害者である。もし、すぐに行動すると、まだ覚悟できない懸念もある。


「もう元気になったか?」


 部屋の片隅でお茶を飲んでいるのは昨日救われた死人だった。彼も同じく被害者であった。正直、犠牲者と言っても構わないだろう。死人協会の犠牲、そういうものだった。


 昨日の負傷がもう治されると見えるけど、最近問題になっているのは精神状態だ。現在戦っている敵は信じられない技を使って、勝利を目指すものである。最も大事なのは、屍者とは違い、奴らは意識を持っている。そのため、奴らはトラウマを利用している。


 強さの格差に踏まえて、俺たちが評価されている。確かに、現実的にはそれが最も相応しいことだけど、実行は無茶苦茶である。


 弱い死人は餌のように、前方へ進み、権威のある人たちが情報を受けるための駒である。礼なら、俺の前にいる死人と、ここにいる死人の八割以上である。


 救われた時の顔は同じく、恐怖に満ちていた表情だった。身震いしながら、即座に死を求めていたものもいる。そして、先に去っていてしまった死人もいる。


 “雑魚”だけを思うままに派遣し、状況を知らずに落とされた命が増えていく。俺とヴィクターもあんな命令を受けなかった。


 例え“雑魚”を派遣しても、せめて落とした命があれば悼みとか送ればいい。だが、どう考えても奴らはまだ俺たちの声を聞いていない。救った俺たちがいなければ、みんなはもう死んだのに。いや、それも違う。彼がいないなら、みんなは二度と戦えないだろう。


 愚かな人であっても、その馬鹿さこそ、ここにいる死人の生きる理由の一つになった。馬鹿馬鹿しくても、あんな刺激を与える人が彼しかいない。逆に、天上会はトラウマだけを与え続けている。


 俺とヴィクターから、そして数が増えて、今1000人以上の死人たちが正義を求める。奴らに与えられないものならば、現在の死人協会を崩壊してもいい。それは新しいものに代われるために。


 灯りが消した時、それはヴィクターのショータイムだ。頭にある全てを口に流せて、正直のままに耳を持つものに聞こえるように。


 灯りが再びついたら、みんなの心がもう燃え上げている。覚悟という言葉もこの気持ちを表せない。勇気を超えて、世界に正しさを見せつける俺たちの時間が来る。


 惨劇のような舞台を喜劇にする奴らは、心を失ったため、権威を失ったら世界が良好するはず。故に、俺たちには後悔がない。


 正義は正義を求めるものだけに来る。そのため、俺たちは積極的に行動して、本当の敵が崩れるまで。痛みを知らないものは天上に立つ権利を持っていないのだ。


「お前なら、このようなパーティーが好きだろう!」


「ああ、そうだね、こんなパーティーが嫌いものはただ残酷なものに過ぎないからさ。」


 今夜も世界が同じ風に続けている。全てが徐々に終わりに近づき、誰もが喜んでいるような静かな世界だ。前からずっと夢のまま、あるべき世界だ。


 ——あれは……爆発!?誰だ!?


「怒りだ。複数の死人が対抗する。どうすればいい?どんな命令を下すのか?」


「裏切りものなのか?当然だ。倒して、そして逮捕して!大切な情報全てを求めろ!恩知らずの人たちに正義を見せるのだ、ハイスカネン!」


“The rights of authority prone to be questionable.”

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る