第17話Rebellion/Immediate

“Accumulated wrath stirs the wheel of change.”


 都市のような本拠はオンファロスと呼ばれている。地上殴殺の始まりからおよそ三か月後、東亜に位置する無人島で建設された。約500万人の死人が死人協会に所属し、オンファロスに配属されたのは約15万人の死人である。


 死人に限らぬ、数えきれない人間たちもオンファロスの建設や予算に寄付している。国連加盟国の納税者の国民である限り、税金がオンファロスにも分配されている。その上、直接寄付があり、実力者の慈善とされている。


 国連と死人協会の募金政策についての論争はさて置き、集まってきた基金がオンファロスを“先進国”に変えさせるものになって成功した。先進国の首都に比較しても、オンファロスの方が魅力的だとよく考えられている。観光客禁止は残念なことである。


 キラキラと光っているオンファロスでは大衆の騒がしさが毎日ほど死人たちを活気づいている。本物の街のように、死人たちは軍人ではなく市民とされている。勿論、オンファロスに複数の人間もいる。人間は管理職などの役職を担っている。


 踊れ踊れ、敵の強さなどしがないものとなった頃以来、酔っ払うほどに、飽きるまで踊れ踊れ。オンファロス配属の死人の力など、屍者に向けるじゃ無駄遣いと、踊りながら幸せな死人たちがそう思い込まれている。


 固定的日常が破られたらどうするなんか、パーティーの中じゃ誰にも思われない。尚且つ、起こす可能性なんか誰も知りはしない、誰も知りはしたくない。


 今夜もまた、長い“仕事”の後、みんなが騒いでいる。祭りのような毎日毎晩、流れる音楽に弾かれて、外の世界のことなど気にしてはしない。


 忠告を受けた記憶はない、それは覚えられることである、それは覚えたいことである。あったとしても、冗談として受けて、使者の真面目な顔を侮辱にする。


 不正の世界。狭い天国が広い地獄の間にある世界。無残な強者が不憫な弱者の間に存在する世界。あんな世界では死の数が増えていくだけ。無論で夢の世界と誰もが言えないはずの世界に相違ない。


 人々の苦しみを忘れる死人たち。不義の死人たち。奇跡のような力を持っているくせに、人を救う気は持っていない。その裏には、複雑な原因もある。


 第三次大戦の苦労は世界中の人々の呪いであった。死人たちも含まれて、あんな困難な生き方から抜け出したものは無意識に二度と体験しないように。


 現実から逃げている死人の数は山ほどある。問題ではないかと、それはまだ議論されている。だが、死人協会に所属する死人たちがそうしたら、本当に大丈夫だろうかと、それじゃ人はみんな一つの意見を持っている。


 恐怖や心労に打ち倒されているものが命を懸ける同時に、苦痛から永遠逃避に取り憑かれるものが現実を知らずに遊んでいる。


 見方と弱者の苦しさを無視する愚かなものには、どんな値があるだろう。罰があれば、誰に与えるといい?キラキラと光っている場所が暗闇に飲み込まれたら、苦しむ人は誰なのか?


 恐れに操られ、状況を分からぬままに、死人たちが無茶苦茶に慌てている。暗闇のような停電が見えるなり、“守護者”たちが救いを無理やりに求めている。


 風が止まる夜、雨のない夜、音がない夜。慌てていても、叫び声とか響いてはしない。それは死人たちの位置が襲撃する敵に見つかれないように、暗闇に忍び込んで隠している。


 15万人の中、停電の原因を調べるものはただ複数の死人。その上、助けるふりをするものが沢山いて、自分の無知識を煩わしく聞かせている。


 人間がいるものの、人間のことを忘れている。少数が人間たちを探そうとしていても、迷い込む大衆の混乱では何も見つけられない。


 直ちにできない一方、時が少し経てば、覚悟している死人の数が増えていく。襲撃の場合に対する充分な訓練を受けなかったようなもの、まだ命を落とさないこともただ奇跡のようだった。


 なら、訓練を行うものたちの反応は速かったのか?無論だが、奴らも自分の過ちを気付くことができない。恐らく、認めたくないから気づけない。


 責められる人を探し、何も把握できない夜では、迷い込む死人たちの大衆を。証拠のないままに、不正常の中に疑惑が少しでも見えたら、即座に誘拐する。


 そのため、何も知らない大衆が“敵”に襲われていると思って、襲撃が見えないから、段々慌て続けるだけ。混乱を見えても、天上会の番犬が容赦なく狩り続けている。


 不審はなし、天上会の絶対的な命令は拒めないものである。例え、首脳やそのものが拒もうとしても、何も変えられない。その理由は我儘な天上会の権力である。


 一つだけの単純な観点によって、天上会は判断し、改革が必要とされても、一度判断したら正しさに屈するなど、絶対にしない。


 合計10人。5人は死人、5人は人間。国連、超大国、事業家から結成され、死人がいなくても実力者の人たち。救世主の仮面をつけながら、弱者に圧倒的な圧力を利用する腐敗の悪魔たち。


 死人協会は街ではなく、国のような存在である。だが、首脳とその他は天上会の指令に基づいて行動する。それは人類のためとよく言われ続けている。


 裏切り者を全滅する方針は最初から決定された手順である。天上会の認定を待たずに、実行できる対策であり、詳細は首脳とそのものに決められるものである。


 暗いオフィスの中にある豪華なソファーに座っている首脳の考えは人々の命を定めるものの、天上会がずっと干渉する、全てが秩序のままにあるように。


 迷い込む大衆の中、天上会と権利者を疑惑するものがいないままに、尋問が陰の中で続けている。死人の状態を構わずに、番犬が行方のない尋問に集中する間、一つの派手なことが目をくらむ。


 普通の光よりもっと明るくある灯りが合図として、見知らぬ死人たちが大声のチャントを唱えているとともに行進している。


 手順は全滅。それだが、いつの間にか番犬たちが知らない灯りに盲目され、行進している死人たちに攻撃されている。


 大衆が迷い込むまま、行進を追いかけないままに、ただ遠くから見つめている。派手なものと言えば、それはただ一人の知られている顔。


 燃え上げている気分を把握し放射して、死人の行進を指揮して、大衆に説得言葉遣いを大声で出している。気分を高めるヴィクターが死人協会の新しい幕を開く。


 張本人を知る首脳は無情のままで報告放送を見ている。それに対して、彼女はただ一つの特定の命令を最強の番犬に下す。


 塞ぐ敵が片付けられることで、ヴィクターと連中がオンファロスの中央に目指している。全力を手の中に、強い人たちから権利を取り戻すことに。


 炎上。混迷を作り上げる炎上が立ち止まりになる。燃えている炎による爆発が上げられ、全てが炎に縛られたら、本当の戦いが始まる。


 恐れのないままに。チャントが続け、手を叩きながら。怒りの叫びを天上に向け、素早く近づいている強者を待っている。犬との遊び時間を待っている。


 結局番犬だけじゃなく、死人たちが裏切り者を取り囲んでいる。そして、ヴィクターの前には最強の番犬、ハイスカネンが立っている。


「今更出るか?いいんだよ、本物の裏切り者をみんなに見させてやる!」


“The truth was decided by them who control everything.”

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