第18話Mastermind/Vanguard
“The possibility is endless; the outcomes are limited.”
人は憎しみに操れがちなものだ。一つの理由でさえあれば、人の憎しみが激しく募っている。憎しみの理性は憎む人の心の奥にいつも隠されている。
例え超越たるものになっても、人の本性があまり変わられないもののまま。人はその理由を自分に問ったことがあるかないか、それは人の未来を決めるものである。
憎しみは武器であり、古い時代から人々を滅ぼすには一種の凶器な武器である。人はあんなに憎しみから逃れられないのか?憎しみはそんなに拒まれないものなのか?何故平和を望む人たちは憎しみを武器にして戦争を始めるのか?
効果的な武器を操れるのは人間だけじゃない。運命というものが本当であれば、悪魔に限らぬ、神様と天使ですら憎しみを武器にして、人々を試してきた。そして、神を名乗る存在者が憎しみをもう一度人類に降り注いでいる。
僕たちを嫌うから、憎しみの種をまいているのか?深い嫌悪を持ち合わせているのはどっちの存在者なのか?ここまで辿り着いたら、よくある話は後悔による反省の話だろう。
神を名乗り、ここへ来て、神の欠片に接触した人類を絶滅するために。何度でも別な言葉でそれを言い聞かせ、高いプライドで絶対的な勝利者の表現をしている。
埋もれる声で宣戦布告、戦争の合図を送っても、曖昧のままにはっきりとはしない。そのため、戦争に巻き込まれてしまうものも気づいていない。
戦争を求める奴みたいだが、そういうわけもなさそうだ。恐らく、特定な生き物を憎みがちなものである。なら、それは何故だろう?
「嫌悪神、名称の上にも絶対的な使命がある。それは憎しみを操るものとなる役割、この広い宇宙の中にある憎しみが消えないように。ストロンチウム様から使命を受けて、私の名前はストロンチアナイト。嫌悪神の下で、世界の憎しみを取り締まる選ばれし者の一者。きっと、オンファロスの状況を耳にしただろう。」
憎しみが恵みであるような言い方をしたら、根性悪な教えを言い出しているストロンチアナイト。憎しみを求めるには一体どんな目標があるのか?
襲撃者よりも使者のような存在者だ。ストロンチウムの教えを説教する使者みたいだ。その言い方と言葉遣いによって、ストロンチウムは崇拝されるものではなく、主将のような存在がありそうだ。
遠い星から来て、制限を超えた人間と一様のものを道のりで何度でも滅ぼしてきた。もちろん、利用した武器は憎しみだった。
「お前にも人への憎しみがあるだろう。ただ、それをまだ拒んでいて、汚れない心を持っているように。何れもその優しさも、その勇敢さも、その全てが壊れた心の暗闇に飲み込まれる。」
よく知られた神様と天使のように僕を試しているのか?そもそも、本物の神と天使なのか?答えを求めないと出せないだろう。
「憎しみなら、確かにみんなの心の中にある。でも、僕の心の中にある憎しみは、お前が思う憎しみじゃない!」
……本当はとても、とても意味のないセリフだった。
真っ白な鎧、銀色の翼、重みの高い身体、黒い大砲や機関銃、黄緑の星屑と共にカンカミ・ヴァンガードが現れ、同時に形の違うヴァーゲも現れる。
ヴァーゲとは違うヴァーゲ、それはストロンチアナイトの説明である。獣ではなく、カンカミのように操縦士があり、ストロンチアナイトがそう言っている。
ヴァーゲはカンカミと同じ高さ(約75m)を持ち、重さは状態によって異なっている。そのため、壊れかけたビルの上に立つことができる。それを超えて、水面に浮かべることも簡単にできる。
ストロンチアナイトの特殊なヴァーゲは細い身体であり、溶岩の翼を持ち、重そうでありながら、軽く動いているものである。形は恐竜みたいだ。
数の利点で僕を倒そうとしていると思って、間違えた戦略と告げるように、数体のヴァーゲを一気に倒そうとしている。
「埋もれた記憶を思い出すみたいだろう。見慣れてきたはずの記憶だと思っても、その力を抑え込むには充分な記憶だな。」
ヴァーゲはもっと複雑な生き物である。神たちの獣だけじゃなく、より大事な役割を担っている、それは神の使命を果たすためである。獣だけじゃ、果たされないに決まっている。
脳が必要、本能が必要、情報が必要とされている。なければ、ヴァーゲは何も果たせない。その上、神たちに向かってしまう可能性もある。
脳は洗脳されて、人間だけを狙うように。本能は人間の形である生き物を獲物とする生き方で生まれていた。そして、情報は人間から直接に奪うことにしている。
死体の山、数えきれない人間の死体が裂かれたヴァーゲの身体から現れていた。でも、死体になったのは殺された以来、ヴァーゲが殺された以来だった。
「動け……動け……——動け!動け!動け!何故動けないんだ!!?」
「終わりにしよう、哀れな死人よ!」
屍者と同じじゃないか?罪のない人が敵になってしまい、救う術がないまでに。でも、何故動けない?殺してもいいのに、何故抑えられるの?過ちなんかないじゃないか?
熱い、溶岩に接触されるように。噛みつくのは痛いんだ。容赦なく連撃を、こんな近くになっては、できるはずのないことじゃなかった。
痛くても、痛くても、身体も心も、何故全然動けない?カンカミは自分の体と同じ存在じゃないか?なら、動けないわけなんかないだろう。
「肢体がなくなってもまだ戦う気か?星屑は血のようならば、出血して死ねばいい。」
「ああああああ!!」
——止めたの?何だ、あの輝きは?
黄金の星屑の源、キラキラと輝いている金色のカンカミ。幻なのか?微かに見えるから、あまり確かめられない。このカンカミを聞いたことはないけど。
ヴァーゲよりも残酷な戦い方、眩しくてほとんど何も見えないけど、見えるのは残酷である。突きを見せないままに、必死な戦い方をしているヴァーゲを斬り倒している。
「一緒に地獄に落ちろう、人間よ!」
燃えつく自爆、空を貫く灰色の原子雲、広いクレータ、溶岩のような地面。形を失ったヴァーゲ、勝利者として立っているカンカミ。
地面に倒れて、カンカミの姿を保たない僕は、黄金の星屑に包まれた人を微かに見えている。二人だ、男と女の子の姿が見える。二人は段々遠くなっている共に、僕の目が閉じられていく。
“Grown out of the touch with everything by that naivety.”
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