第27話Ambition/One-shot

“Remarkable move is the one nobody has ever done before.”


 俺は何ものであろうと、瓦全の存在を表するようなそんな自問自答が大嫌いだ。ヴィクター・ウィリアムズという人物は俺が最初から最後まで決めるものだ。そのままで続けるように、何かがあろうとしても。なければ、俺は何者にもなれやしない。


 誰かに決められる自分、間違っている他人に思われている自分、そういうものは俺じゃない。原始から結末まで、自分で思う自分こそが俺だ。


 もし真新しく歪んでいる環境にいる俺なら、現状という流れに負けられずに、ありのままである進歩していく自分がそれを突破し革新にする。


 運命というものがあるとしても、真実は人権を奪うものならば、正しくあるまで何回でも曲がっている。仮令、神という存在が怒ってしまっても。


 ここまで辿り着けられたのも、運命を反した自分のおかげだった。現状に頭を下げない自分だから、想像されない願望も意外と叶えられてきた。


 人が進歩的な自分や世界に十分で信用できれば、きっと腐敗してきた世界でさえも天国に変わる。だけど、それも簡単なものじゃないと、最初から知っていた。


 昔の自分なら、自分に関する問題だけに偏って、関係のなさそうな周りを無視していた。何故なら、無意味だと思っていたからだ。


 最適な環境でなければ、昔の自分がきっとまだ存在している。あの時の希望がなければ、絶望に落ちた俺がもういないかもしれない。


 同じ希望がまだ他人に来られないと思い、俺は理想な世界があるまで、把握できるものたちの希望になり続けたいんだ。


 栄光なる国に生まれて、多数の問題がまだあるとしても、変化がもっと確認できる方にある。だから、郷里から離れて、不吉な人々を会いに行った。


 不正義な世界だ。きっと誰もがそう思えるようになってきた。仕方なくても、そのままでされていたら、不正義が永遠に消えないだろう。


 腐敗していく世界だ。そうでありながらも、俺がこの世界に飽きて草臥れるまで、命をかけて正義を頑固に主張していく。ただ、この世界が哀しすぎるから。


 沢山の人が理想な世界を望むどころか、生存できる安全地帯でさえも知っていない。道が閉ざされた人々が、幸運なる人々に救われないなら、惨めに死亡する。


 数え切れない人々と会ってきて、色々と知ってきて、不可能なる知識まで蓄えてきた。素晴らしい人たちなのに、あまりにも嘆かわしい世界だ。


 やってきたこと全てが大したことであるわけがない。進歩があっても、敗北という結末もよくある話だった。不安になってそれを思ったら、落ち込んで泣きながらも、最後に笑える時がある。残念で、そう笑えることができるものがまだ沢山いる。


 殺されかけた体験が数えられないほどあったんだ。怖いと言えば、怖いけど、なんか結局、ある分で俺の誇りになってしまった。自慢にしたこともよくある。


 でも、それはたった一人の俺だけの誇りじゃない。出会えていた素晴らしい人たちがいなければ、俺はもういなくなった。


 俺たちは沢山の友達や家族を亡くした。でも、心は折れていない。心が折れてしまったら、人々の死亡が無意味になり、困難なる人の数が増えていくだけだ。


 まだ戦いたくない人への説得が終わられない。でも、最後まで戦いたくなくても、その理由があり、理解できる。多くの数が必要とされても、強引してはしたくない。


 そして、“諦めたもの”と言われた人でさえも、みんなは臆病なものじゃない。また戦えたらいいけど、辞めたいならその裏には理由があるだろう。


 どんなに少ない努力でも、それがもう助けられてきたものだ。だから、精神状態を落ちさせるまで、あんな強引は要られていない。


 手と手を組み合わせて、人々が一緒に進歩して、あるべき姿の世界へ。あれは祈りじゃなく、俺たちのこの手で掴める目的だ。


 哀しく殺された俺がもう一度命に与えられたから、無理に捨てるのができないだろう。強くなっている力で、不可能を超えて、望んだ世界に近づいている。


 俺の名を勝手に侮辱しよう、俺には何の意味がないから。募ってきたあんな憎しみがあるものは絶対的な敗北を恐れているものだ。


 だから、その限界まで、俺が戦い続けている。どれほど弱くなってきても、どれほど血が零れ落ちていても、どれほど夜が暗くなっていても。


「しつこいんだ!ただサンドバッグになるのに、まだ戦う気か!?今すぐに死ねえ!!」


「——それこそが俺の策戦だよ!」


 災厄ではないままに、東亜と周囲が大混乱を起こるほどの地震を感じて、崩れるビルと被害者がないままに。加えに、全世界が強い震動を同時に感じた。


 人間の謎となり、全ての注目がその問題に集められている。一回だけで、それ以上は何もなかった。だが、驚かせるものは一つだけじゃない。


 北海道とその周囲に見られて、瞬間的な刹那の閃光が目撃された。盲目されなかったが、確実に驚かせたものだった。


 だけど、原因を知ったイェリンの目に写ったものは全く別なものであった。その閃光と地震の原因、他でもなく傷だらけのヴィクターの反撃だった。


 調子に乗りすぎた嫌悪神に気づかれぬ、受けてきたダメージとヴィクターの暴力が一つとなり、神の存在を消す攻撃となった。


 衝撃の閃光と共に、ストロンチウムの跡が一緒に消えていた。作られた大きなクレーターの中にいるか、それも分かられない。


 格好つけながら、ヴィクターは少しずつそこから歩いて離れていく。血だらけの身体で、彼はゆっくりとイェリンの元へ、少し笑って微笑んでいる。


 残される問題はまだ山ほどあるんだ。それでも、きっと他のみんながやがて全てを解決して、理想な世界を。


 いつか、全世界の子供たちが満々と遊んで、家族や友達と共に、幸せのままに。


 いつか、差別を受けずに、人々が等しくなり、分かち合えるように。


 いつか、人が過ちを気付き、許し合いながら正義や償いを求め、あるべき姿へ。


 願望なら、まだ山ほどある。でも、辿り着くために長い時間が必要とされば、それもいい。きっと明るくなるんだ、この世界が。信じているよ、みんなのことに。


「さよなら……」


“Even the eternal flame shall meet its demise.”

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る