第29話2/3: Awaken/Nonentity

“What once small, now breaks the existing state.”


 空を切り裂いて、今回の閃光と放れているオーラが朱ではなく、水色である。それを加えに、感じられた力があの時よりも遥かに超えている。


 嫌悪神の贈り物が途中で誰かに止まられた直後、奴の真後ろに強烈な力を発する死人の一人が立っている。動きが刹那であり、来るのが誰も気付かなかった。


 短い間に、彼は全力を解き放ち、その水色のオーラに纏い、進化した嫌悪神の力とは同等、他の死人たちに感じられていない。


 その時、意識を保っている死人はただ少しだけであり、それも大抵瀕死の近い状態である。何もできない死人たちが全てをナムリョンに任せる。


 本当の思いを隠し、恐怖を少しでも見せないように、ストロンチウムが侮蔑を言い続けて、見下す姿勢を見せている。


 そういうものは縁起が悪いものだ、ストロンチウムにとっては。


 音を立てずに、見えない速度で、ナムリョンが嫌悪神を叫喚させるほどの攻撃を次々と続けて、動きが読められないままに奴を圧している。


「人造人間に負けられたお前が俺を倒す気か!?ふざけんなよ、屑人間が!!」


 この屈辱は何だ?ただあまりに少なすぎる神の欠片に接触されたのに、何故奴がここまで強くなれてきたのか?先から今までも、この死人たちが一体何者だ!?


 どれほど強化しようとしても、集中してみても、ストロンチウムの状況が全然変わられない。怒りながらも、奴は何もできない同然。


 生き物に神の力を恵んだ賤の神が一体何を思っていたんだ?この賤の生き物全てがこんな力を手に入れるはずがない。


 嫌悪神、その名通りに、嫌悪を生き物に呪いかけているだけではなく、自分自身もおのれによる憎しみに沈んでいく。もちろん、同じくそれに支配されてしまっている。


 限界を超えた人間だろうね。なら、もう一度、そのように、私も私の限界を超えに行くんだ。神への屈辱がここで終わる。


 ——あれは、あの時の女なのか?


「奴隷」


「——黙れ!また私を見下ろすために姿を猪口才に現すのか?邪魔だ!お前の言葉が現実でもなく、お前自身も。もううんざりだ!今すぐに消えたらいい!」


 激烈になり、当然なる敵を無視して、ストロンチウムが自分に感じられて見えている女を向けて、深くなった殺意で。


 幾ら追いかけようとしても、近づけてみても、彼女はどこにでもいないよう。触りこともできぬ、その侮蔑的なメッセージが頭から消えていない。


 見える全てを壊しているほどに、狂気なる嫌悪神が盲目に彼女を狙っている。全力を放つまでに、奴が何もかもしようとして、彼女の存在が消えるように。


 ヘリウムは何故まだ彼女を生かせた?彼女も彼もここにいる全員が神の名に許せない屈辱をしていた。立場の知らないあの女をはじめに、神が人間を裁くはずだ。


「何を追いかけていたか、知らないけど。お前の馬鹿さのおかげでこの戦いが終える。」


 最大な強力を放つ槍が、ストロンチウムに撃たれて、奴を高い空へ圧倒的な力で飛ばしている。高く飛んで、嫌悪神が何もできないままに。


 ……お前はただの幻覚なのか?萎沢冬佳……。


 高くなれば、その槍が爆発して、大きな水色の綺麗な花火になる。奴が水色の閃光と共に消えて、槍がナムリョンに戻った。冷静のままに、ナムリョンがその戦いを終えた。


“In the eyes of tranquility, hatred is such a fool."

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る