Last Recrudescence

第34話Trial/Rats

“Even a drop of water could ruin a peaceful day.”

　また、冷静の日々に世界が戻りつつ。実は何が起こっていたか、まだ何も知っていない。だが、前にあった複数の不自然な大震災が既に状況を充分に告げたものだ。

　今日もまた、静凪から離れてしまった。よくいなくなるほどに一度いなければ、今はもう彼女のことを少しでも心配してはしない。

　世界が非常に変わってきたもの。いつの間にか、人々が今幸せそうな顔なんか見せてもできなくなるみたいだ。どうしても、それが当たり前なことだから。

　それだけじゃなく、今なら鬱陶しい顔の方が適当だ。

　青空の雲を切り裂いて、典型的なUFOのような物体が上から出現する。浮かびながら、物体の真ん中が広い穴となり、そこから光線が地面に。それは何も壊さずに、ただ周囲を占めている。

　壊れたラジオのような唸り声が響いたら、地下から光線に繋がっている怪獣が現れる。独特なその姿、恐らくヴァーゲではなく、代行者だ。

　簡単に言うと、クモのような代行者だ。足長の生物、白い鎧を身に付けるようだから、恐らく重みが凄くある。そのため、ただ歩いているだけで地面が揺れ、壊されるものが多くなる。

　鎧は防衛のためなら、その代行者の防衛が平凡なものだ。硬い体と共に、空にある物体が４つの盾を与えている。

　重いからか、大きいからか、今回の代行者の速度が比較的に遅いものだ。仮令、それが本当であるとしても、奴の行動が既に破壊的である。

　自分の結論は、クモのようなものがただ武器にすぎぬ、本当の代行者はUFOみたいな奴。だから、そこへ力強く狙ってみる。

　結論が正しかったとしても、どうそれが簡単に実行できるものじゃないみたいだ。鎧と浮かぶ盾の他に、見えない盾もその物体の周りにある。

　少し焦って、最悪は反撃があるはずだが、その代行者がただ何も起こらないみたいに、どこかへ向かっている。

　奴の目的を知らずに、その無関心な反応を利用して、俺は弱点を連撃で探している。

　俺の反応時間より速く、その盾が全ての攻撃を簡単に防いでいる。突きがあったら、結局その体が硬くすぎる。正直というと、オマの無駄遣いだった。

　恐怖じゃないものだが、なんかそのものに似ているものを感じている。こんな偉大なものを目撃するのは初めてかもだから。

　無力さの悔しさでもなく、劣等感という言葉もこの感覚を説明できない。今感じているのは恐れがありながら、不安定のような感覚じゃない。

　そう感じているのが俺だけじゃないらしい。ここにいる人々は逃げても働いてもせずに、ただあの代行者をじっと見ている。

　催眠なら、催眠じゃないかもしれない。自由に動けるのさ。だが、何故か何もせずに奴の動きを見たくなるだけ。

　美しいものか、完璧というものか、そういう気がしている。自分より上、神聖なるものを見ているようだ。これは神、いや天使？

　——もう一度その唸り声が響き、その時は目が覚めた気がする。

　今、人々は当たり前のように、焦りに逃げ始める。さっきは何があったのか、それはまだ分からずに、見知らないカンカミが今代行者を凶暴に攻撃している。

　何があっても、代行者は代行者。仮令、まだ何もしなくても、殺すのが死人の責任である。それは本当なのか？

　奴は何もしていない。凶暴に攻撃されるとしても、奴はただそのカンカミを無視しようとして、歩きを続けている。

　同時に、どこにでも動けないよう、あのカンカミが奴を鎖で縛り込んでいる。それでも、奴はまだ反撃をしていないまま。

　自分も分からない、この決断は、何故自分がこれを選んだのも分からない。確かなことは一つ、無意識に、いや、態とあのカンカミを撃っていた、落ちたまで。

　理由が分からないが、その代行者が安全に歩ける姿を見たら、いい感じがしている。また、その感覚もあまり説明できないものだ。

　もちろん、新しい敵が出来てしまったのだ。2人が代行者を無視して、高いビルに囲まれて戦っている。

　その時、大事なことを気付き始める。自分が弱いからその代行者を倒せなかったわけじゃなく、戦いたくないから弱くなったものだ。

　それでも、今敵となったカンカミの力が多分まだ俺より強そうだ。無限なる武器で、俺を攻撃し続けている。

　朱と銀色に纏い体、黒い鎖を身に付けるカンカミの戦い方が、敵を打ち倒すだけじゃなく、殺して死体をバラバラにしているものだ。要するに、嗜虐的なものだ。

　皮肉的なものだ。晴れている平穏なこの日に、戦い合う相手は同じカンカミ、そして同じくこの日に2人が落ちている。全てが何もしていないまま、姿を消した代行者のため。

　黄金の星屑、共に銀色の星屑が消えたら、傷だらけの俺が痛みを耐えながら、壊れたビルの間にあのカンカミの操縦士を探そうとする。

　——あれは、子供なのか……？

「君の小さな実験が面白い結果を見せたもの。そう思っていないか？秩序神よ。」

　幾千の人生を渡ってきた生存者、破壊と征服よりももっと意味深いものを探している。その果てはどうなるか、読められなくても、大事なことは実行の時だ。

「そうだぞ、これも仮説以外だ。人間は面白いもの、何回でも協調して言うよ。それはそうと、お前が与えたラットは何者だったね？」

「簡単に言うと、戦争の子、或いは戦争の機械だ。」

　嫌悪神や戦争神の創造なのか。知恵に与えられた人間であるくせに、動物の本能に支配されている。典型的な面白いものだ。

“Maintaining an advantageous position in such a manipulative world.”