Last Recrudescence

睡眠者

死人復興

第1話Resolution/Savior

"The gunshot echoes glory, leading the world towards its progression."


「祝福」、些細な言葉でありながら、適当な使い方が議論される、それは感情的なものだから。人による別な意味を持つものであれば、論理的に考え難い。


 人は見つめ合い、羨み合い、憎み合い、仰ぎ合い、両方が気づかぬままに。当たり前のように、どこにでもあるように、あの国でも、あの街でも、ここでも。


 他人の優しさに頼って、物乞いしているものは、幸せそうな人に対して。未知な存在者の奇跡に頼って、目逸らしているものは、怠けそうな人に対して。


 奴らは極端に異なるほどに、似ている分も。同じく気づかず、同じく無視している。それは今日も軽やかに過ごせるチャンスということである。


 けれど、現状を受け入れるものはもっと明るく未来を拒むものである、哀れなほどにそれはそうかもしれない。絶望に陥ったものと明るい未来を信じているものは、満足してはしないだろう。


 そう脳内に考えて夢中した瞬間に、案外の爆弾の爆音が耳を痛く刺して、目を閉じていた頃の穏やかな心を壊したものになった。目を開けたら、人群れの面も甚だ変わった。


 激烈の先は後悔。だが、何れもやむを得ない時が来るのさ。総意を告げたい一人が、自国の人の誇りと命を守りたいくせにも、「敵」を潰さずに、「仲間」を殺した。


 あの人の所為だ。本当であろうとも、仕方なかった。歴史的には、もう英雄になるかもしれない。結局、「悪」と「善」はスペクトル的なもの、文脈的なものである。


 案の定、流れてきたニュースなら、事件を単純なものであるように告げた。同盟していると言い続けても、中身が争い続けている。皮肉だな。


 事件から数時間後、もう帰国した。自分を休ませながら、事務室にいる他の一人は、酔いながら、思い切り全てを吐き出している。


 侮辱みたいな言葉ばかりが、耳にはもう歌であるようになった。夜更かしまでじゃなく、時間があれば、日差しが見えるまでも論じ尽くす二人である。


 多数なものを見えてきても、知識を全部得るのが不可能だ。だから、他人の言葉から耳を塞ぐのは絶対にしないように。そう思っている二人には現実が負担になっても、まだまだ立ち続ける気がしている。


「気をつけな!」と最後に言った。彼は心配な顔せずに、誇らしげに微笑んでいる。今回の幕がもう閉じる頃であり、新しいのを向かっている自分が立ち去っている。


 そうだね、立ち去って行く男が何も気付かぬ、何も知らないみたいだな。大物にしては、愚かすぎる。


 二十歳には最初の博士に達して、二十三歳には実業家として成功して、二十四歳には総長と成って、二十六歳から文部科学相として活動している。


 だが、煌めく時が直ぐに終わるのだ。全てが其の姿勢の故だった。


 其処まで辿り着けたのは知識の自由の為、誰にでも操れない為だった。他もそうする様に、理想を邪魔する者を否定し続けて、教義は「正しさ」を教える為でも、「自由」の方が大事と思っているから、お前が皆の敵に成ってしまった。


 数え切れない暗殺を超えて、全てを失っても、無邪気の儘だろうか。若い、未だ若すぎる。多分、俺たちの見方は繋がるのが不可能だ。どう成っても、お前が択べた道だから。判断権利等も無い。


 此処迄居られるのは自分の理想の為。だが、全てが終われるのも其の理想の為だろう。


 疲れる心じゃ無理やりに隠しては間抜けだ、彼女も言った。此の後、休めて遣れよ、休めて遣れ、休めて遣れ……。


 御免な、今回丈は止めさせて遣るよ……。


 苦い?悔しい?苦しい?知らないな、こういうのが初めてだから。殺されるみたいだが、まだ生きているだろう。そもそもここは敵の基地だと知っていた。


 騒がしいね、何故か皆が同じ言葉繰り返している。そもそも論理じゃないよ、関心や利害だらけだ。


 もう何も聞きたくない、疲れたんだ。もう最低だ、敗北の味だ。


 ……帰る場所があるのかな?


 不思議な事情ばかりを伝えてニュースが聞かれながら、天井に掛けられる仄かな灯りを指の隙間から見えている。


 今は何もしたくない、頭には新しいもの一つもない、ただソファーに段々沈んでいく。そうでありながら、慣れてきた誰かが扉を開いた。


「落ち込んでる?」


「ねえ。」


「疲れる?」


「ねえよ!」


「哀れな……」


 数本のアルコールを注ぎ始まるが、本人は既に酔っ払っている。それも俺のためじゃなく、もっと多くの人が来るだから。


 一人一人が増えてきて、騒がしくなり、狭くなっている。騒々しさを超えて、一人の大声が「休戦を祝おうじゃないか!」だと、それも奴の声だった。


 テレビの音量を上げて、様々な国にある休戦の祝いを見させている。なんて意気軒昂な奴だ。それでも構わない。


 捨てられていた人の群れと呼んでもいいな。一人二人ぐらいはまだ行けても、他はもう知らない。そんな切ない思いが来る時、ある人が俺を読んだ。


 人前ではあまりにも人気すぎて、国境を越えて、変革を求めている桜井元春という人物である。知って通りは真面目な人だと思ったら、些細な質問も口にしている。


 ただ黙っているが、答えを探してはしないみたいだ。奴はただワインを飲み続けて、静かな夜空を眺めている。


 こっちの方が好きだけど……。


 見つめ合う時には、いつの間にか俺らの間に破片が飛んでいく。そんな視線はただ一秒だけ、全部が有耶無耶になるまでは。


 身体が動けなくなり、目が閉じ込められて、全てが震えている。ガソリンの匂いがして、目の前には燃えている炎が微かに見えている。


 枯れている声で、慌てる村山誠志郎が大きな声で連中の名前を一人一人呼びかけ、返事を望んでいる。けれど、落ちてゆくのも気づいている。


 それは夢なのか?……。


「聞こえますかね?村山さん、まだ死んではいけませんよ。この世界がまだ続きますから。まだ新しい希望を求めるのですね。」


 穏やかな声が聞こえて、桜井の姿が微かに見えている。そこではもう何も残られない、ただ二人かもしれない。視線を失い始めた頃には、高い光の柱が見えそうだった。


 不思議なもんだね。それでも、まだ身体が揺れている。動きたくもないさ、必要なこともじゃないから。そして、また、なぜか全てが騒がしくなる。


 皆が集まる広場、皆が躍る広場、皆が笑う広場、皆が望む広場だ。温色の灯りが灯し、綺麗な飾が整えられて、喜ぶ人々に。祭りに違いないだろう。


 そこにいても、そこにいてない、そんな感じである。あやふやと感じられても、そこにある喜びが心に溶けてゆく、笑いまではないが。


 皆の笑い声を、盛り上がる子供たちの声を、流れる街の唱を聞きながら、目を閉じるままに鼻歌を。多様性な人々の居場所で、皆が休戦を祝っている。


 徐々に目を開き始め、小さな青い光が現れ始め、踊るみたいに、段々増えていく。見惚れる瞬間は、大音響が聞こえる。


 青い光に閉じ込まれて、それ以外何も見えなくなるとも、外の声がはっきりである。悲鳴な声、災厄の声、殺戮の声である。どうしても、自分の呼び声が届けないようだった。


 無理だ、何もかも試しても、青い光がそのままだ。呼んでみても、返事はない。全てが無意味だ、助けようとしても、知れようとしても、逃げようとしても。


 塗炭を無視しようとした自分が、耳を開けて、目を開けて、立とうしている。もう終わりそうと見えている。残されるのはただ絶望、ただ絶望に陥っている生存者。


 死体にも呼び掛かけて、救いを求めている。漸く、探した人と出会っても、名前を呼びかけても、返事はなかった。そんな哀しさにも、偉大な影が及んでいく。


 残酷な怪獣が現れ、正確にはさっきからそこで待っている。全てを失くした男は遺体を抱いて、食べられて、息子を守りながら。


 俺が見えなかったんだ……そもそもそこにはいなかった。全てが夢だから——違い?!現実だったのか?!!


「もう目を覚ましたか?」と言って、その夢を報道しているニュースを見ている桜井が世話しているそうだ。


 返事は何もしなかった。その間、桜井が食事を放置し、外へ行った。迷うんだな、語ったらどうなると。まあ、今はもう一人になるだろう。


 そんな孤独な一時には、あの青い光がもう一度現れ、自分に近づいていく。触れてみたら、無感触だと、それとももっと大事なことが気づき始めた。


「休戦は永久じゃない。終わらせたいなら、意志も必要だろう。」


 夜でも賑やかな広島。不景気でも、まだ生きていくみたいだ。だけど、最近の事変の影響で、皆が私も怖くなる。


 街中で時間浪費し、幸せな恋人、慌てるサラリーマン、喜ぶ家族を見て、麻薬の取引の奴とビルの上から飛び降りた人も見えていた。素晴らしい場所だと思うほどに、段々死にたくなるんだ。


 好転な未来などはないんだ。登ってみても、やがて落ちるだろう。私だけじゃない、皆も、社会も、国も、世界も。って、あれがここまで来るなら、可笑しいよね。


 可笑しいね……叶えた願いみたいけど、神様の考え方は本当に分かりにくいもんだね。震える大地、人並の叫び声、混乱する社会。全てがもう完璧だ。


 ——なんで?!なんで静かになった?!


 目を開けたら、全てが青い光、青い埃に塗れている。乱暴している怪獣がなんの破損も与えなくなる。私だけじゃなく、皆も、怪獣も惑われているみたいだ。


 暖かさに覆われながら、ある地点に光が集まっていく。それは巨人に踏まれたら、壊れるはずの原爆ドームだ。あの光たちが何かになっていく。


 やっぱり巨人、いや、ロボット、メカみたいだ。まるでテレビに出ているスーパーロボットみたいだ。


 1体対5体が、あのロボット易く一体一体退治している。残る被害は何もないようだと、それは空に浮かんだ怪獣が光線を射すまでの思いだった。


 結局ない、被害などはないんだ。青い光が私たちを守っている。そうでありながら、ロボットが怪獣5体を全滅していた。


 これは希望なのか?望んでいなかったけど、望まずにもこれは希望なのかな?自答して、戸惑いながら、上を見たら、あのロボットが私を見えている。なんて素晴らしい時間だ。


 やがて、ロボットは青い光と共に段々消えていく。混乱している人並の中、ビルの上を見たら、微かに人の姿が見えている。いつからあそこにいったと、なぜそこにいるのと、謎の男だ。


 最初が終わり、旅が始まり、決戦の合図となる。ここは遺物みたいが、多様性な貴重品がある。まるで太陽の明かりが射しているが、そう訳もないだろう。


 こんなものがあると、知らないが、英雄なんかもなりたくないが、他の道はないんだね。だから、俺は最後まで生きていて、最後まで戦うんだ。それで世界が平和に戻る。


"The chosen one are chosen by themself.""The gunshot echoes glory, leading the world towards its progression."

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