第21話Cult/Worldview
"Clinging to something we do not understand, making it something that comforts us.”
この小さな街は異常に変な街。人口のない感じがしている街の反面、市民が明らかに日常的な仕事に活躍している。
空気のせいにすると思っていても、なんかそれはこの感覚の要因じゃないと思う。本当はただ心配しすぎるかもしれないけど、まだこの謎の街を調べてみたい。
静凪ならどう思うかな?いつも通り、彼女は無言のまま、あっちこっちをただ見つめている。結構残念なことで、気配や予兆を感じるには静凪が優れているのだ。
余所者なのに、一時間だけで市民から複数の食べ物をもらってきた。豊作があると聞いたけど、くれる本当の理由は市民たちの優しさだったと思う。それも、あまり確かめられないものだけど。
心の優しい市民たちの秘密は何だろう?シニカルな考えじゃなく、ただこんな時に幸せな人々と会えるのは中々信じられないものだ。
この地域は近代的であるはずのくせに、屍者か死人のことなど知っていなさそうだ。誰も知らない辺境の人たちでさえも死人のことなど知っているのに。
その上、死人の存在もこの街で全然感じられていない。本当にこの戦いに接触されない街なのか?本当だとしても、市民たちがその情報を受けたはずなのだ。
敵の罠なのか?それでも、市民たちは本物の人間であると感じられ、自然的な生活をしている。市民たちが人間ではないわけがないんだ。
そもそも敵であれば、どんな敵であるか、それも問題だ。この街には贅沢な歴史があり、昨日で作られた街じゃない。罠であれば、もっと複雑なプランが必要とされる。
介入のないこの街は市民たちのものだと思う。集産主義の社会であり、文化遺産を保守している社会。建物そのものだけじゃなく、受け継がれてきた価値観も。要するに、保守的な社会だ。
街の中央にある教会がこの街を担当している。独立な国のような、政府を無視し、教会が最大の権力を持っている。
政府はきっとこの街を置いている。隣の街全てが既に滅ぼされ、この街がこの地域でたった一つの街となった。恐らく、その政府もこの街のことを忘れてしまっただろう。
市民の各自がみんな同じ神に崇拝して、同じ宗教の信仰がある。考えたことと違い、それはキリスト教じゃない。面が似ていても、本当は随分異なっている宗教だ。
まるで別の世界だね。大戦や屍者の故に、大抵人間は宗教から離れつつあっても、ここの市民たちだけがその信仰を強まっている。
正に変な街だ。足を踏み始める瞬間から、色々なことを知ってきた今までも。正直、まだ調べたいことが山ほどある。謎だらけの街から簡単で去って行くのはできない。
幸福な市民たちを羨むわけもなく、この街を憎むわけもなく、全てがただこの街への好奇心のためだけだ。要するに、好奇心旺盛になってしまったのだ。
「真実を知るには深い興味を持っているのか?若者よ。」
……汚い罠にかかってしまった。やっぱり、感じられた予感を無視するのも間違いだった。どうやられるのか知らなくて、ここはただ暗いと見えている。
眠い目に、少しずつ光が痛く射している。無力の状況はないけど、弱者をふりして、この行方を調べてみたい。
小さな部屋に入るのは背が高い男であり、あの服から見れば、彼は司祭に違いない。その聖職者の裏にはきっと大事な何かがあるだろう。
「隠さなくてもいいよ。君が死人であること、私も最初から知っていたんだ。」
冗談のない発言だ。自分が死人だと言ったら、その力が圧倒的に放っている。加えに、俺の世界観によっての定型的な司祭の憎らしい姿勢をしている。
「——静凪はどこだ!!?」
「あの少女のことか?心配はない、未完成の死人の運命に私の手がまだ触れやしない。何故なら、それをする前に君の答えを聞きたいから。」
考えが正しくあるのに嫌な時と言えば、今こそがその時だ。その言い方から判断すれば、彼のカリスマや発想法のおかげで、市民たちに対する説教が成功した。
ならば、その説教が俺に効けるものか?ないと思うけど、彼の説き方が正直天才であると認めている。ユートピアもなく、彼が現実的な世界を紹介している。
けれど、その凄さはそれに限られている。その他、ただ俺が普段思える司祭と同じく、自分がクズであると示している。
「死人、屍者、そしてヴァーゲも私の手によって、この街から消されていた。それは私に恵まれた力で、恩恵神に恵まれた力のおかげだった。死人なら盲目に殺したくはないが、前にある愚かなものと同じくあれば、恩恵神に崇拝しないなら、君も犠牲にする、平和な世界に必要な犠牲になるのだ。」
邪なこの人、スヴェンド・クラウゼンと名乗り、市民たちを支配している。確かに、市民たちに対しては彼がとても優しい人でも、その裏は何万人の犠牲がある。
「簡単に言うと、ここは本拠地だ。世界中でもこの宗教が既に広がっていく。もちろん、他の地域に踏んでしまって、恩恵神を否定する死人も恥ずかしく執行された。異端者の死人など許されないと思う。そのため、オンファロスに近づいている陥落も私の企みであった。」
皮肉だな。存在している宗教全てを既に憎んでいるのに、今の俺が真新しく下らない宗教に負けてしまう。もううんざりするよ、信仰そういうものには。
「恩恵神に崇拝することは簡単なものだから、崇めるものには許しがない。尚、恩恵神がなければ、私たち生き物の人生がもう滅びになるだろう。」
抵抗したくないなんかないけど、俺と彼の格差が非常に大きすぎる。何をしようとしても、彼は指一本だけで全てを反撃していた、説教しながらも。
「それは君の答えだね?いいよ。なら、もう仕方ない。この話がここまでにする。」
神に配られたものは善と悪に見分けられるものならば、神々しき神業が存在していないとも同然である。
七色でさえ、人間によって既に古い色の観念となった。つまり、人間の思考回路が時代を超える度に進化しつつものである。逆に、神と名乗る存在者の視点は永遠に変えられないものなら、劣等人物になればいいじゃないか。
最初から神の観念は抽象的であり、簡単に議論され、簡単に改造され、簡単に取り残される。その全てが神を知らない人間による話だ。
神を否定して嫌悪するものとは言えないが、ただ決定されたある神の観念に閉じ込まれた人が残念だと思っている。選ばれた観念を自由に保守してもいいが、その信愛に満ちる思いが平和への凶器になれば、それはもう限界だ。
正直、あんな恐れを全然持ってなかった。人間は神から離れているのがもう半世紀ほど渡ってきた。一方で、信仰の深い人が段々神の教えに近づいていく。双方がぶつかった時もあり、共に生きていた時もある。それを見てきたから、この問題を放置するも正しくはない。
難問のように、歴史上の論説や談話に渡って、この問題は事実的に解け難いと誰もが認識している。その上、これは非常にデリケートな話題だ。
戦時こそ、この問題が大事になる。神に不満して、自分の力で運命を刻む方と、不安から離れ、神に依存してその信仰を守る方も。どちらにせよ、戦時に生存しようとする人間に過ぎない。
そのため、善と悪の話も論外になる。問題は教徒や無神者のことだけでなく、その奥にもっと深刻な問題だ。その問題はこの世を崩せる問題である。
神は崇拝されたいなら、崇拝しない人を創らないだろう。それとも、態と悪例として創ったわけだったか。それとも、神はあんなに強くはないものなのか。
神を所為にする。それもこの問題を解けるための一つの発想である。神は悪魔と比較にして、同じものにする。更に、伝統的な無敵である神の観念を疑惑にする。
それでも、今まで記録されていた学者などの発想は人間の発想だ。死人や地上殴殺の事実を知らない人間であり、無意識に人間を中心にする世界観であった。
死人の観点にすれば、神との戦いはあまり多くなくても、その影響が世界の形を改造するほどであった。反面に、それを知る死人も数人だけである。
神による地上殴殺は一回目と現在の五回目だけだ。一回目の神が少数であり、予想されないものに敗北した。現在、参加する神の数が沢山であり、死人も史上最も多い数だ。
なら、三回ほど全て人間の所為だったじゃないかと、それも考慮しなければならない。仮令、神の存在が災いを招いても、人間による災厄が山ほどある。
平和な時でも、宗教は主義や政治のように、簡単で武器にできるものだ。人間を操る、人間を支配する、その間に傀儡氏が腐敗に飲み込まれつつある。
大衆を新たな宗教に改宗させるのが極めて不可能に近づいていることだ。多分、その預言者はもう前にあった記録を超えた。
ここにいる人々が愚かだと、早めに言うのもできない。多数の因子があるに決まっている。恐怖に囚われたか、不安になったか、全てをきちんと調べるはずのものだ。
「神父と呼べてもいいかな?こっちから、もっと悪魔らしく見えるけど。」
崇拝に集中した教徒が一気に止め、礼拝を指揮する司祭が微笑みで俺を迎えている。同時に、一人の少女と男が司祭の裏に縛られている、知らない儀式の捧げものとして。
「残念だね、俺には宗教への興味など持っていない。」
世界の全てを知っていると強調し、世界を正しさへ導けると言った。腐敗した政治家と宗教者より、馬鹿げるものがあればそれはあの司祭だ。
「最初の十人のお前は本当にここで命を落とすつもりか?あの力にはまだ用があるくせに、この馬鹿馬鹿しい遊びで捨てる気なのか?」
冷静な顔をしても、隠される真顔は深い憎しみを表現している。つまり、恩恵神への崇拝は本当なものである。
「幸運と恵みを支配するのは私の力であり、異端者である無力な君を処罰するには充分な力だ。」
縛られている男が強いオマを持っていても、司祭に負けた。その理由は最初の十人である死人は幸福を操るほどの力を持っているから。要するに、あの男はとても不吉な人だった。
「その力による不幸を俺に注いで、死人の力を消そうとしたのか?やはり、俺たちの世界観が非常に異なっている。幸福や不幸の観念は人によって異なるものだ。お前と違い、俺にとって死人に関する全てが不幸だ。つまり、俺の力もその一つなのだ。」
必死な死人だ。俺の申し入れを拒んだ彼はまだ現実を認めないのだ—彼が気づけないのは自分が最強な死人ではないことだけじゃなく、恩恵神による宗教は人間に対する一つの凶器に過ぎないことも、彼はまだ気づいていない。
「力を使ったと思ったんだろう。簡単で纏めにしよう。戦いには暴力だけじゃ戦えない、精神状態も命を決めるものだ。今のお前はあまりの恐怖で、無意識にその力を控えている。」
一体何者だ?何故、私は動けない?体だけもなく、口は何も言えなくなった。幸福や恵みはずっと私の傍にあるはずだ。なら、何故私から自由がなくなった?
「見極めようか、今お前の目に写るものは一体何だろう?」
同じ場所にいるのに、数えきれない場所に移動させている感じは何だ?知らない色の空虚な空間、瞬時に変わり続けているものは何だ?私の存在は一体どこにいるのだ?
「——ああああ!!」
何故……市民たちは親切な人たちじゃないか?司祭が極悪だとしても、狂おしく囲んで殴り倒すわけがないだろう。なのに、何故司祭の肉体を……。
「幻想に生きてきたものは一度目を覚めたら、こうなるのが当然だ。」
司祭が狂気なる大衆に殺されている間、俺はあの男に一言を残した。それは地上殴殺の無限なる可能性であった。予想通り、彼は何も言わなかった。
「司祭のこと、市民たちのこと、全てが当たり前であると思うといい。」
代行者を4体倒してきて、間近に複数体が襲い始めるはず。オンファロスのことなら、別の人に預けた。しばらく、神が次の行動をする前に、俺が一回目(の地上殴殺)の一番目(の死人)を探してみようか、五回目の一番目として。
“One certain worldview that would cause the new revolution.”
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