第22話Arrest/Strings
“A ricochet of the strong voices echoing under the vast sea.”
幾ら上がってみても、高らかな声が届けなく、届けなく、奴らにはもう聞こえなくなる。この声がきっと無差別な殺戮の声に希薄されていた。
どう足掻いてみても、どうか届けるように願って頑張っていても、地面に留められた俺たちじゃ天に届けないだろう。
雨を見たことがあるのか、天に住む人たちは。薄くて弱い雫と、それはそこから見えているものである。その故に、命を奪うほどの雨の真実が奴らの目には見えるなどあり得ない。
哀しい、悔しい気持ちばかりが深く感じられている。戦ってきた全てが悉く奪われて、迷い込んでいる心が酷く鬱陶しくなるだけだ。その果て、全てを失う虚しさだけが残る。
疲れただけだ、俺は。少し眠くて、少し寝たらまた元気になるだろう。今のような心配しすぎる心を持っているなら、戦いから永遠に退けばいいと、そう思う。
あの音が嫌いだ。俺たちの声を埋めるあの声が本当に嫌いだ。叫んできた声が消えたことだけじゃなく、それによって相次いでいた声を聞こえたら心が痛い。
正義を求める俺たちにはこんなことで報われるべきものなのか?正義は俺たちに訪れないものなのか?それとも、正義の全てが奴らのためだけにあるものなのか?
奴らの数は少ないのに、何故か俺たちの滅亡が最初から決められたみたいだ。練習して強くなるわけもなく、幸運があるから強くなったものだ。
空からの爆弾、地面に隠れても地下に仕掛けた凶器が既に待っていた。訳も分からずに、俺たちの動きが謎の森で閉じ込まれた。
全てが奴らの技であった。地面に生まれた生物である俺たちに恵まれなかった力であった。弱いままで、強力な力で俺たちの存在がこの世界から消されていた。
そんなに弱くはないけど、比較すればやっぱり格差が非常に明確すぎる。匹敵できるような力を持っていた味方がいるのは本当だけど、大抵は手も足も動けないまま。
その力の源は一体何だろう?幸運によるだけで決まれても、その事実をこの心が飽きるまで否定し続けているよ、明らかに不正義すぎるから。
第三次大戦の軍隊の数ほどの空軍が雲を塞いでいたら、滅亡の鈴が既に響いていたと誰もがそれを分かる。だから、みんなは怖がりながら動かなかった。
そもそも、それは普通の空軍じゃない。ただの機械であれば、一瞬で壊れやすいはず。それを試すこともなく、明らかに死人の力と知っていたら、勇気を失くした死人は一瞬で正気を失っている間に、いつの間にか命を失った。
その後、相次いでいたのは訳が分かられないものばかりだった。地面が俺たちに占められたはずなのに、いつの間にか全てが敵の武器になった。それが爆発して、連中の肢体が失くして動けなくなる間に、空からの急襲が続いていた。
五感を守って戦いながら、街であったオンファロスが見知らぬ森に囲まれ、段々利点が敵の手に移っていた。おまけに、一番弱かったはずの敵でさえも強くなっていた。
想像されないことに慣れられず、より強力な襲撃が相次いでいた。悲惨の悲鳴が耳についていて、みんなの心から希望の光がやがて消えた。
責めるわけもない。怖かった理由は何よりも当然すぎて、許せないわけもなかった。そうでありながら、やっぱり奴らにとっては、永遠に死亡した死人たちが少しでも値を持っていないとされている。
人間をいつまでも守ると言い続けても、自分の味方を犠牲にしているその心は、いつからあるのだろうか?残酷である皮肉な現実だ。
残るものたちはみんな偉大な恐怖に囚われて、位置が知られない場所で禁錮されている。不正義の攻撃の後、不正義の逮捕に遭うのが当たり前だ。
悔しい、本当に悔しすぎる。勝利は目の前にあったのに、そのチャンスが一瞬だけで捨ててしまった。でも、本当に後悔してもいいのか?
攻撃を受けるほど、破壊力と総合力が強くなるのが俺の能力だ。少し痛くても、それを必死に耐えていたら、俺の力が天を崩せるはずだった。
あの破壊力に攻撃されたら、きっと奴らは死ぬだろう。でも、あまりにも強すぎて、守りたいものも一緒に殺してしまう状況だった。
その勇気を持っていなかった。多分、今の俺もそれを持っていない。
……結局死亡したのに。
「答える気はねえよ、すぐに消えてもいい?」
「お前の反逆により数えきれない死人が死亡した。それでも、まだ続ける気か?往生際悪だけでもなく、お前には道義というものもない。」
「道義ないと?諦めると?馬鹿。ここまで辿り着いたのに。今突然諦めたら、死亡した仲間たちへの侮辱になるんだよ!冷酷な心を持つお前には何も理解できないだろう!」
ただ一つ残っているものは俺の夢だけだ。もし、それが消えたら、死ぬも同然、命の意味がなくなるから。仮令全てが奪われても、この夢が心の奥に残る。
連中はどうだろう?まだ同じ夢を抱えているのか?もう諦めたか?それとも、もう死んだのか?もう不安すぎる、この行方さえ分からない。
「もう一回言うよ!禁錮された死人全員を釈放して!」
後ろには刀を私に向ける男がいる。死亡とされて逮捕されなかったこの男が首謀者であるヴィクターに近い人物である。
「釈放されたい仲間がいるなら、自分の手で釈放しなさい。私を巻き込まれないでいい。」
魂消た表現がガラスの表面に写っていて、段々怒っていた後、落ち着いていたら彼は刀を下げ、姿を消した。
本物の人物じゃない。知らない技によって、私を脅したのは彼のクローンだった。そのクローンが多分彼に繋がっていて、本人の気持ちを表した。
狙いが間違えたんだ、あの男は。私はもうあの権力を持っていない。今、全ての決断や権力が死人協会委員会にある。私はただ意味のない駒に過ぎない。
こうなってしまったんだ。そもそも、死人協会は道具に過ぎないから、こうなってもいいじゃないか?それを思う度、頭が痛いんだ。
委員会に抵抗すればどうなるでしょうか?アレクサンドロフの言ったことに従っても良いなのか?それとも、全てがもっと危険になるのか?
こんな時こそ、彼は完全に消えた。提案だった時は、もっと明るい未来が聞こえたのに、結局絶望に陥ったんだ。それなのに、彼はまだ何もしていない。
「お前のような人物が悩んだら、世界が崩壊されるだろう。」
気配か存在も感じられないまま、見た目が悪魔のような誰かが後ろで現れて、私に囁いている。今なら、何の問題が起こるのか?
「抜け道も逃げ道のないお前に、贈り物を与えようか?」
「悪魔との契約、そういう意味なのか?悪い、知らないものへの信頼など持っていないんだ。」
「贈り物はもう上げたんだ。今は黙ってそれを目撃すれといい。」
曖昧に笑っていて、何も説明せずに。あの悪魔は一体何者だろう?ただ笑い続けて、圧迫感が強くなっているだけ。
……もう、死にたいな。
「何本まで飲んでいたのか?飲み続ければ、解ける問題はない。」
「行くよ、もう我慢できないから。」
純粋の顔をしている私が、アルコールの匂いを連れて、憎らしい会議室に向かっている。ただ出席して、全てをアレクサンドロフに任せる。
これは勇気なんかじゃない。知らないけど、でも勇気とは言えない。自分の気持ちを分からずに何故か今日の空気が少し変である。
入る前は少し安息して、充分な覚悟を。計画には幾らのミスがありそうでも、やらないなら、私段々その悩みに沈んでいくだけ。
「——誰だ、こうしたのは誰だ!?姿を現せ!」
……これって、贈り物なのか?
“Trapped as long as you cannot see the strings.”
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