色なき風にうたれて

律調高校で発生した生徒同士の暴行事件。

ゴシップ誌『月刊壱蜂』の記者である芝亀望（しばがめ のぞみ）は編集長の気まぐれから突然にその事件の取材を命じられる。慣れない犯罪報道の現場に四苦八苦する中で芝亀は妙な言葉を耳にして……。

事件を捜査する女性刑事。事件が起きたクラスの担任教師と、事件を目の当たりにした律調高校の生徒達。そして、加害者と被害者。

移り変わる視点によって徐々に明らかになる真相とさらに深まっていく謎。

その教室で一体、何が起きたのか。事件に関わる人々、それぞれの記憶と感情が交錯する。

その悲劇は不慮の事故か、それとも――。