第33話牢屋とベランダ
小声で説明を始める
「まず俺がここにいる理由だけど、グファーナ、君を助けに来た」
そういうと彼女は不思議な顔をしてゆっくり返してきた
「何を言っているの?」
それに対してゆっくり説明する
「そのままの意味だよ、君にここで死んでほしくない、だから助けに来たんだ、本当にそれだけ、不思議だよね、少し前に殺しあったのに、今ではなぜか君を助けたいんだ」
そう喋っていくとだんだんとグファーナの表情が少し柔らかくなっていった
「理由は分かった、でもどうやって?」
ポケットから今使っている手錠と牢屋のすべての鍵を取り出す
「今日俺たちはここからいなくなるんだ、だから出発の少し前にあの2人と一緒に確認しに来るから、その時にこの鍵をばれないように渡す、その後ならいつでも逃げられるから、好きなタイミング逃げて」
「わかったありがとう」
「後は・・・あっそうだ、ここから上がった部屋の右の部屋に保存食をいくつか置いてあるから自由に使って、あと何かあったら頼ってね、俺たちはここからレイア国跡地から左にある森に入ってそこから大きい漁港に向かって、マース大陸に向かう予定だから、そこを辿れば会えるはずだから」
そう説明して立ち上がり
「それじゃあほかの人が起きないうちに俺は戻るね、それじゃあ気を付けて脱獄してね、それじゃあ少しあとにまた来るね、バイバイ」
そういって上に上がり部屋に戻って少し休む
一方その頃、ベランダにはレアとセレーが立っていた
「どうしました?不安で寝れませんでしたか?それとも国を守れなかったことを悔いているのですか?レア様」
そうレアに後ろから喋りかけるセレーに対してレアが
「確かに国を守れなかったことは悔いてるけど、今ここで夜明け前の空を眺めてるのは、ただただ空がきれいだったからよ、心配させちゃったならごめんなさい」
最後に顔だけ後ろに向けて笑顔でセレーに返した
「それならよかったです、ただこれだけで謝らないでください、じゃないとこの先の旅が大変ですよ。だから少しは不真面目になっちゃいましょう」
「確かに、数日しか喋ってないけど、普段のあの人たちと真面目に喋ってたら大変そうね、ありがとうセレー、それじゃあ少しだけ不真面目になってみる、もう縛るものとかもないしね」
そう喋ったあとしばらくふたりで空を見た後中に戻り一階に降りてソファーに座り、冷えた体を温めるためにセレーが淹れた熱い紅茶を2人で、寝ているみんなを起こさないように静かに喋りながらゆっくり、やけどしないように飲んでいった
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