第6話屋敷に到着

「独裁者」


「社畜」


「クビ」


ああ、何時間歩いたんだろ、もう話すことがなくなって、俺、ルナ、セレーの順でしりとりをするくらいには長く歩いてる、ああせめて弱い魔物が少し出てきてくれれば暇にならずにすみそうだが、セレーが言うには、きちんと下調べして魔物がいない、安全で最短なルートを選んでるらしいからなぁ、期待しないでおこう


「仁志早く、仁志の番だよ」


「う〜ん、そうだなビール」


「類に触る」


「ルーズボール」


「ルナ」


「なぁ〜に?」


うん?どこか声が高い感じだったけど、会話じゃなくてしりとりで当たってるよな


「ニヤけすぎですよ、お嬢様」


「まだつかないのか?」


「かなり遠い場所にしたからね」


「ネバーギブアップですよ、頑張りましょう」


「うなじ」


「上ロース」


「スメル」


そこから少し休憩を挟んで数時間歩いき、やっと、やっっっと


「ついたぁーーーーー」


「仁志様、今はあまり大声を出さないようにしてください」


「あっごめん」


「とりあえず中に入ろ


こんな森の奥にある建物だから遺跡みたいなのを想像してたけど、まさか洋館とは思わなかったなぁ、本当にあったんだな森の中の洋館って、しかもちゃんとツタも巻きついてる親切設計いい洋館だ


てかこの洋館でかいな、3階くらいか?洋館の中では普通くらいなのかな?まぁとりあえず中に入ってからだな


4、5メートルくらいのデカさの木のドアをセレーに開けてもらい、中に入る


内装はよくアニメなどで見るようなごく普通の洋館に見えるが、何か違和感があるような、なんだ?特に変なところはないような、虫が住み着いてるわけでも、ほこりだらけで足の踏み場がないわけでもない、いやそのせいか、外はツタが巻き付いてるのになぜ中はここまで、新品同然に綺麗なんだ、セレーが掃除した?いや、そんな時間があったとは思えない、いや、一応確認はしてそこからにしよう、大きい声を出さないように、ゆっくりと


「セレー、ここって前もって掃除してたりした?」


「いえ、していませんが、どうしましてか?」


つまりはここに、俺たち3人以外の何者かが住んでいるのか


「気を付けろ、ここには俺たち3人以外の誰かがいる、敵かもしれない」


「ようやく到着したと思ったら、いきなり敵扱いとはのう、洋館の説明くらいしておけ」


「そ・・・そんな怒らず」


「そんなところに隠れてないで、しっかり前に出ろ、使用人じゃろう、新しい住人をで迎えろ」


これは夢か?異世界か?そういや異世界だったでもまさか、異世界にきたら本当に見れるとは


さっき隠れていた方をしっぽを掴んで引っ張りだし、階段の上からこちらに投げた方、おそらくその貫禄、口調からして100年以上は生きているはずなのに、身長も、胸もまったく育たず、背は140cm、胸は無いかのように見せて、五感を極限まで研ぎ澄ませば服の上からでも分かる、ほんの少しだけ膨らみがあるはず、俺の勘がそう言っている


そしてその体型に明らかにあっていない「これから成長してピッタリになる」と言う自身の胸よりも薄い希望で買い、いまだにぶかぶかな博衣


そして見た目だけだと子供扱いされるからという理由(憶測)でもっているであろう杖、もちろん魔法使いが使うようなものじゃない杖、そして杖と同じ理由で着けているであろう度の入っていないモノクル


そして何より、薄い黄色、正式には淡黄色のショート、もちろんただのショートではなく、右前の1部の髪だけを使った三つ編み、そして目立たないくらいの天然パーマのロリババア


そしてさっき階段から投げられた方、その長いケモミミ、ふわふわのしっぽからしておそらく獣人、それも狐、そしてこちらはおそらく子供、獣人の中ではとかではなく、リアルで小学生くらいの年、今わかった見た目、性格からの推測ではあるが、こういうのは当たっている、そしてこの子は確実にペシャンコだ、さっきと同じ勘だが、自信をもってそう言える


そしてその見た目に合っている、和装メイドの衣装と下駄、そして、自然界では絶対に見れないであろう、紫色の毛


ありがとう神様、ルナのような世界一の美少女と、美人な金髪メイドだけではなく、かわいいロリババアと、引っ込み思案な狐の獣人まで揃えてくれるなんて、異世界に来てよかった!


ああ自然と手を合わせて感謝してしまう


「仁志〜、お〜い、仁志」


「はぁ仕方ありません」


そう言いながら仁志に近づき耳を掴み、大きく息を吸い


「仁志様‼︎‼︎起きてください‼︎‼︎」


「はっ俺は一体何を、てか耳いった、キーンってする」


「予定より1人多い上、なんの説明もしてないようじゃからのう、まずは自己紹介といくか」


そう言いながら、一切役だっているように見えない杖を突きながら、降りてくる

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