第23話10本のお守り
レアと4時まで喋った後、洋館の玄関前に集まりいざ出発、そこからは敵の配置などについて喋りながら目的地にできるだけ早くつけるようにしながら進み
とうとう着いたか、ここにくるのはあの日以来か、とは言っても2日くらいしか経ってないんだけどね
「予定より少し早いが、作戦開始じゃ」
その声と同時に、いつもとは違う、本当に真剣な顔へと変わり、城の方へと一歩一歩進んでいく
一歩がいつもより重い
これはゲームなんかじゃなく、リアルの戦い、殺す、殺されるの、そう言う戦い
・・・いや、大丈夫だ、それなら前も経験したことあるだろ、その時も大丈夫だったんだ、それならいける
「ねえ、仁志」
「何?ルナ」
歩きながら、笑って話しかけてきたルナに返すと
「手、ちょと貸して」
そう言われ、ルナの方に近かった左手を、手のひらを上にしてルナの方に出す
するとルナが自分の髪を抜き始めて、大体10本になった時に俺の左手に置きながら
「ねぇ仁志、知ってる?これは極東の国にあるお守りなんだって」
「孤月とか華弘夜から極東の国について最近聞いてたの、そしたら仁志から聞いた、仁志の住んでいた場所と文化が似てるなって思って、その時聞いたお守り、今やってみたんだ、これで合ってるかは分からないし、そっちにあったかは分からないけど」
本当卑怯なくらいいい笑顔だ
「うん、あったよこっちにも、まぁかなり昔のもので、そっちと同じかは分からないけど、妻が夫に渡すものだったけどね」
ルナの笑顔にこちらも笑顔で返しながらそういう
「こっちでもその意味なんだ、色々と似てるんだね、どこの世界でも人間の考えって」
「で、でも、夫婦ではないけど、安全祈願として受け取って」
夫婦でやるものと言われてか、どんな関係の人がやるものかバレてか、こんなに顔赤らめて、かわいい
「そ、それと、こっちには髪を薔薇に例える民族があるらしくて、10本は、『あなたは完璧な人です』なんだって」
「そっか、それじゃあ」
そう言って自分の髪を10本抜き、ルナに渡す
「えっ」
「お返し」
驚いた顔して、やっぱりかわいいなぁ
「で、でもこれって確か、妻から夫へのやつで」
「そもそも夫婦でも、恋人でもないんだから、変わらないでしょ」
「それに、これが流行っていた時代に、妻がどこか遠くにいく時、髪を渡す人がいたかもしれないでしょ」
「た、確かに、あ、ありがとう」
と互いにお守りを渡しあっていたら
「何をやっとるバカップル、そんなところで止まってないで早く歩いてくれんか?」
と少し離れたところから華弘夜に言われてしまった、あはは、いつのまにか止まってたのね、ごめん
そう思いながら、小袋に髪を入れて、2人で走って華弘夜達のところまで行った
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