第32話作戦
「それで、どうする?どうやってあいつをこっち側に引き込む?」
そう聞くと、余裕そうな表情で華弘夜が応える
「そんなの一つに決まっておるじゃろ、一度どん底に落としてから救い上げてやるんじゃよ、そしたら楽に仲間に引き入れられるぞ」
「まあそうだろうけど・・・」
「なんじゃ、そういうやり方は嫌か?それなら別の方法にするが」
と俺の言葉を遮って華弘夜が言ってきた
「ちげぇよ、そういうやり方って難しいんじゃないか?って聞きたかったんだよ」
「まあ確かに普通の状況なら難しいが、今の状況なら意外と簡単にいくとわしは思っておるぞ」
そう真面目な顔で返してきた
「それでその作戦とは何なのですか?」
「それはじゃなぁ」
と少々にやけながら作戦を喋っていった
「という作戦じゃ、意外と簡単じゃろ?」
「確かに、意外と簡単ですね」
「なんか俺の仕事多くない?」
「仕方ないじゃろ、この中で一番適任なのがお主なんじゃから、恨むなら適任な自分でも恨むんじゃな」
作戦自体はいい物だし、言ってるのが真面目モードのこの2人だから人選に文句も言えない、本当になんでこんな役割任さられるんだくそ
「まあ大変ではあるじゃろうが、危険と言ってもあやつにばれた時くらいじゃし、その時はどうせわしらも一緒に殺されるだけじゃから安心しろ」
と笑いながら、笑ってない目で言ってきた
マジでばれたら殺されるだろうからツッコめねぇ
「まあ、そんな話してないで早速作戦開始じゃ」
そう華弘夜が言って全員で部屋から出て奇襲してきたやつらに華弘夜が処分を伝えた、内容はこう
「お主らの処分が決まった、内容は無期懲役みたいなものじゃ、まあ一つ違いがあるとすれば、わしらがあと数日でここからいなくなりお主らに飯や飲み物を出す者がいなくなるというだけじゃな」
と華弘夜が言い終わると「無期懲役みたいなもの」のところまで「まだチャンスが」という顔をしていたのが一気に絶望の顔に変わった、まあそりゃそうだろうな、実質死刑宣告みたいなものだもんな、そりゃ絶望もする
そう思いつつもしっかり4人を牢屋に入れてカギを閉める
それから二日後、出発の日の早朝に俺はグファーナ・エーンゲールの牢屋に鍵を開けて入って、ぐっすり寝ている彼女を起こそうと体を揺らしている
おお、目が開いた、意外と早かったな、いや敵が入ってきてるのにこの反応は起きるの遅いのか?いやでも特に殺気や敵意があるわけではなかったし普通くらいなのか?わからないが早く起きてくれそうでよか・・・
「ky・・・」
叫びそうだった彼女の口をとっさに抑えて、静かにというジェスチャーをして
「何も変なことをする気はない、ただ君に話しを聞いてほしいだけなんだ、静かにしてくれ」
そう小声で伝えて、彼女のうなずきを見て手を放して話を始める
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