第9話国と約束
「1つ目の国はマース大陸に存在する、昔世界征服を企んでいた、魔を統べるもの、魔王が作った魔族の国、魔国」
「今では結構大人しくなってはいるけど、今マース大陸にある砂漠は、その当時の魔王が遊びで作ったとか、勇者との戦いで出来たとか言われてるらしいわ」
「2つ目の国はさっきと同じマース大陸に存在する、世界最大の国家、世界最多の兵士数、世界最多の人口数を誇る、異種族連合国」
「この国はさっき説明した魔国に対抗するためにマース大陸にあった、人、エルフ、ドワーフ、獣人、龍人、妖精の6種族の合計15の小国によって作られた連合国らしいわ、勇者もこの連合国から生まれたらしいわ、奇跡的に」
「3つ目の国はガイア大陸に存在する、大国4つの中で最も古い国、フェアー国」
「この国は妖精のみで作った国、特にこれといった特徴もないそこそこの国ね」
「4つ目の国もさっきと同じガイア大陸に存在する、大国4つのなかでは1番新しく、世界最高の戦力を持つ、リーポス王国、私たちがこれから転覆させる国よ」
「この国は前に話した女神と天地者の1人がいる国で、あと数年以内に転覆よ」
えっ、そんなやばい国だったのか、めっちゃ本気で鍛えて、本気で作戦練ろう、じゃないと転覆するどころか死ぬなこれ
「まぁ、一応これくらいね、他の細かいことはその都度教えるわね」
「うん、ありがとうルナ、すごくわかりやすくて面白かったよ、またよろしくね」
「う、うん」
少々どもっているような返事を聞き、ドアの前まで行き
「また明日」
と笑顔でルナに言いながら手を振り部屋を後にする
今の話を全部聞いてわかった、この世界は確実に面白い、そして今俺はその面白さで、ニヤけを抑えるので精一杯になっている、とりあえず部屋に戻ってこの世界の妄想でもして楽しむか
その後孤月とセレーが作った夜ご飯を、部屋に籠って何かやってる華弘夜を抜いた4人で食べて、適当なタイミングでお風呂に入り、明かりを消し、ベッドに向かっていると
コンコンコン
少し警戒しながらドアを開けると、セレーが立っていた
「仁志様にお話したいことがあります、少々ベランダでお話しませんか?」
「うん、いいよ」
と返事をして2人で、部屋のすぐ近くにある掃き出し窓からベランダに出て、木のフェンスにもたれながら、フェンスにもたれずいつもの綺麗な姿勢で立っているれセレーの話しを聞く
「仁志様・・・ありがとうございます」
「私達に、お嬢様についてきていただき、そして私が思いついても言えなかった、おそらくお嬢様が1番望んでいたであろう、国家転覆という手段を提案して、最後の一押しをしてくださり、ありがとうございます」
「そして仁志様、絶対に死なないでください、今日お嬢様が話している時、話終わった後、とても楽しそうで、とても素敵な笑顔をしていました、おそらく仁志様はお嬢様のなかで、何ものにも代え難いほど大切な方になっています。なのでお嬢様より先に死なないで下さい」
顔色は変えず話しているが、言葉から、声からどれだけ本気かが伝わってくる、であればこちらも本気の思いで返そう
「セレー、俺から見たらさ、セレーと話してる時のルナはどこか安心していて、そして楽しそうに見える、当たり前だ、一緒に逃げてくれて、一緒に国家転覆を目指すか悩んでくれて、ずっと、どこまでもついてきてくれるんだから、安心しないわけない、楽しくないわけない」
「だからセレー、さっきの願いを聞くけど、その条件としてセレーもルナよりも先に死なない、それが条件だ」
そう言うと、先程まで一切表情を変えていなかったセレーが、目をまん丸にして思わず
「えっ」
という声を出すほど驚いていた
「それで、どうする?」
「乗りましょう、その話」
満面の笑みでそう返してきた
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