第25話初の敵側の強者

貴族などがよく着けているドミノマスクを着けた大量の敵に狭い通路、そしておそらく拠点に繋がっているであろう扉、突破以外の選択肢はなさそうだな、今から逃げても追いつかれそうだし


それじゃあまずは印を地面につけて、範囲最大、重力MAX


よし、ほとんどのやつが倒れた、倒れてないやつも立っているのが限界のようだし、意外と余裕だな


「ナイスじゃ仁志、じゃが油断はするな、まだ勝ってはおらん」


「OK」


いつも以上に真剣な顔をする華弘夜にOKサインをしながらそう返す


「じゃあ後は、わしと孤月で戦闘不能にする」


「は、はい、わかりました」


「人が倒れるような音がしたのですが、なんですか?」


孤月と華弘夜が攻撃を始めようとしたタイミングで奥のドアが開き、その落ち着いた声と一緒に両手に手袋をつけた、糸目白髪の正装の男性が出てきた


あいつはやばい、俺でも分かる、ドアが開いた瞬間感じた、あいつの圧倒的なオーラ、ありゃ化け物だ、とっさに能力を使いそうになった、今はとりあえず、遠心力でみんなを守る


孤月と華弘夜も止まってる、やっぱり相当やばいやつなのかあいつ


「仁志、よく能力で攻撃しなかった、今わしらだけであいつを相手にしても勝てん、セレーとルナに魔法で連絡した、到着まで耐えるぞ」


そう俺に小声で、それも聞こえるかどうかくらいの声で、それに俺も同じくらいの声で返した


「了解、ところであいつについて何か知ってるか?」


「分からんが、おそらくロキの最高幹部直属の部下、階級で言うと大体上から4番目くらいのやつじゃな」


小声で会話をしていると、状況を確認していた糸目のやつが動き出した


「みなさんは先に基地に帰って、任務は完了したと伝えておいて下さい、『私は用事ができた』、という言葉も一緒にお願いします」


そう言って、何やら水色のボールのようなものを投げると、半透明の水色の空間が球状に広がり、ロキのメンバーであろう奴らを全員どこか、いや、おそらくロキの本部に飛ばした


あいつさっき、任務は完了って言ってたよな、それってまさか、もしかしたら戦わなきゃいけなくなるかもしれないな


「仁志、孤月」


「ああ、分かってる、戦う覚悟はできてるぜ」


「わ、私もできてます」


そう話していると、いつのまにか俺の能力の手前まで移動していた、嘘だろ、俺はまだあいつらに使ってた印回収してないんだが、今の十数秒で超えられるのか、いやでも、こいつでも一瞬で超えられる訳ではないってことだ、それならルナとセレーがくるまで耐えられるかもしれない

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