第31話

---

流れから閑話からつながった話なので(閑話の意味とは)、もし飛ばしている人がいたら閑話1,2をご覧ください

---

御子を除く9人でダンジョンに出かけた。

向かったのは、神奈川ダンジョン。

一番レベル上げがしやすいのが特徴のダンジョンだ。

実は、俺たちがここに来たのはWDAから依頼が来たからだ。


「ダンジョンハートに異常が起きているらしい」


そう言われた。

ダンジョンハートは、ダンジョンのいろいろな情報が詰まっているもの。

つまり、それに異常が起きてしまうと、ダンジョンに様々な異変が起こる。

だから、ダンジョンハートの情報を書き換えてほしいとのことだ。

書き換えると言っても、正常に戻すことしか基本できない。

悪いように書き換えることができない仕様になっているからだ。


そして、俺たちにわざわざ依頼が来たのは、理由がある。

ダンジョンハートは、冥層にしか存在しないからだ。

俺たちが冥層について色々話したことで、どんどん解明されていった。

ダンジョンハートが存在するとわかったのも、つい最近のことだ。

俺たちに依頼が来たのは、冥層に行けるほどの実力があり、すでに行ったことがあるからだ。


「ダンジョンハート?なにそれ?」

「ダンジョンの脳」

「じゃあ、それを治せばいいの?」

「そういうこと」

イザベラも納得したので、俺たちは冥層へと向かった。

ちなみに、俺と三城が戦った後、冥層に行くには冥層許可証が必要になった。

今現在持っているのはZランク、クラン全体でいけるのは俺達だけ。

だから、前みたいに人間から襲われることはない。

でも、モンスター自体は強い。

俺たちがいるからという理由で5人のクランメンバーも一緒に探索できる。

ただ、まだAランクだ。

Aランクはすごいことだけど、深層以下に行くには全然足りない。

だから、そもそも冥層に連れていく過程においても過酷だ。


しかし、今日はDESTROYERこと律さんが来ている。

彼は何回も冥層に潜っているみたいだから、先頭で戦ってもらうことにした。

最悪、死んでしまっても、彼と俺が生き残っている限り蘇生はできる。

無限残機かな。

そんなチートペアだから、もちろん世界中の国が俺たちを「我が国へ!」と引き連れようとしてるけど、そうなったらクランを解散しないといけない。

クラン本拠地を変更することは、ダンジョン法によって禁止されている。

「なら変えなければいいじゃん」と思うかもしれないが、国に勧誘されるということはつまり、その国で主な活動をしろと言っているのと同じだ。

せっかく今、クランは軌道に乗っているから手放したくない。

それに、クランの拠点にいると落ち着くんだ。


そんな考え事をしていると、律さんが急に止まった。


「まずい。もう中層まで異変が起こっている」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る