第27話

「あ、TKS!!」

「イザベラ、無事だったか?」

「全然元気ですわ。ホークスから話は聞いたから、早く行きましょ」

「あ、そういえば。イザベラ、ここで転移は使えるか?」

「ちょっと試してみるわ。


 うーん、使えるけど威力は少し弱まるわね」


どうやら、イザベラはここで転移が使えるらしい。

ただ、威力は弱くなってしまうらしい。

でも、転移できるだけありがたい。

早速俺は、さっきの探索者からもらった地図を見せた。

「ここの、アシュアダンジョンに転移してほしい。」

「まかせて。」


―転移。


その瞬間、俺たちは暗い空間に包まれた。

見たこともない。

もしかして、転移は失敗したのか?

そうおもったけれど、どうやらここはダンジョンの中らしい。

「とりあえず、成功かな。」

「瀕死ってことは、時間はないわ。すぐ行きましょ」

御子のことを考えて、急いで奥へと進むことにした。

しかし、わいてくるモンスターがすべて強く、元の世界で最上位の俺達でもさすがに手こずった。

さすが異世界。でも、そんなんで負けるはずはない。

俺たちも、どんどん成長しているはずだから。


だいたい50層ぐらい。

おそらく、ここが下層の入り口だろう。

50層で下層ってことは、このダンジョンは浅いのかな。

だが、ここからダンジョンの様子はおかしくなった。


「あれ~、何もないな」

「中層まではモンスターがわいていたのに、なぜだろう」

急にモンスターがいなくなったんだ。

しかも、周りには血がぽたぽたと垂れた後が続いていた。

もしかして、これが―

俺たちは、その可能性を思うとすぐに奥へ進んだ。

すると、予想は的中した。


見たこともない数のモンスターが、5人の人間をかこっていた。

彼らは全員戦闘不能のようだ。

そして、その中に御子もいた。

俺とイザベラは、煩瑣的に体が動き、1秒後には敵の半分の首が取れていた。


遡ること数十分前。

俺たちは、中層で敵を倒しているときにとあることに気が付いた。

普通、モンスターの弱点であるコアは胸らへんにある。

だが、異世界のモンスターは首の近くにあると気が付いたのだ。

試しに首を狙ってみると、さっきよりも簡単に倒せた。

「そういうことか」


だから、俺が魔力で刀を作り、イザベラが保存魔法を使ってイザベラでもその刀を使えるようにした。

そして、二人がかりでとにかく"首"を狙った。


「「御子!」」


そこには、全身血だらけになった探索者たちが横たわっていた。

「脈はあるか?」

「かろうじで。蘇生魔法を使いたいけど、魔力が足りないわ、、、、」

「大丈夫。俺が無限に送るから、全体にかけてくれ」

イザベラが魔法をかけると、意識を取り戻した。

ただ、御子をのぞいて。


「どうしよう、もう脈がない」

「もしかして、死んだ、、、、?」

「彼女は体が丈夫なはずだ。まだ希望はある、、、」

「無理ね。と言いたいところだけど、、仕方ない。





 DESTROYERを呼ぶわ」

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