第11話

曹は、いつも通り会社とダンジョンを往復していた。

もちろん、そのときは誰にもバレる必要がないから変装はしていない。

東京ダンジョンには、冥層まである。(尚、俺たち以外は知らない)

だから、冥層に行けばTKSとバレる心配はないのだ。

別に、運だけでZランクに上がったと思っているからバレたっていいんだけど、面倒事が増えそうで嫌なんだ。

正直、ダンジョンのことでならZランクだから優遇されることもあるけど、それ以外のメリットがあるとは思えない。

他のZランクの人は、恐らく運じゃなく実力でのし上がってきた人たちだろう。

そして、イザベラから聞いたが俺以外の5人のZランカーは全員専業ダンジョン探索者らしい。

だから、その人達にバレるのが一番嫌だ。

逆恨みされたり、あるいは攻撃を仕掛けられることもあり得る。

そのリスクを背負って、チヤホヤされたいがためにZランクと公表するよりも、今の生活を保っていたい。

だから、隠しているのだ。

正直、研究所であの言葉を聞いたときは"~突然世界ランカーだと言われても、困ります~"状態だったからな、、、

そう思うと、御子やイザベラがいてよかったな。


そう考えていると、背後から強い魔力を感じた。


この魔力、"普通"じゃない。


とっさに身を交わした。

すると、その強力な魔力の正体がモンスターではなく「人間」体されているものだと気がついた。


「やあやあ、なんでここにいるんだい、Dランクくん。」

「あなたこそ何でここに居るんですか?」

「見て分からないのか?俺が世界5位のZランカー、三城龍矢だ。」

なるほど、彼が日本で俺ともう一人のZランクか。

だからこの冥層に居るのか。納得だ。

「ここは冥層だぞ。どうやって来たのか知らんが、Dランクのお前ならすぐに死ぬ

 だろうけどせいぜい頑張りなw」

ちょっと流石に見下されすぎたので、俺は正体を明かすことにした。

どうせここでバラしても世間にはバレないだろう。


「あのー、、、」

「なんだよ、早く言えよDランクw」


「どうして俺がDランクって決めつけるんですか?

 俺もZランクですよ?」






「は?嘘つくなよwwwwwwww」

ですよねー。

「じゃあ今から俺と1v1するか?www」

「いいよ、その勝負引き受けた。」


そうして、イキリZランカー三城龍矢みきりゅうやとの対決が始まった。

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