第34話

「はっwこんな奴が俺を倒せるわけw」

「「「「「「「「......」」」」」」」」


多分こいつ馬鹿だ。

彼がこの世界で探索者だったときも、律さんは少なくとも世界ランク10位以内はいただろう。

そんな彼が、倒せない者はほとんどいない。

すると、律さんはそれに怒ったようで、すぐに戦闘態勢に入った。

「じゃあ、本当に攻撃していいんだね?」

「ああ、いいさ。だが、これを見て攻撃できるかな?」


瞬間、彼はクランメンバーの一人の少女を捕まえ、魔法の檻に閉じ込めた。

「攻撃してきたら、こいつを殺す」

人質ってやつだ。

普通なら、攻撃するのを躊躇するのだが。

律さんは、こう言った。


「あ、その子殺しちゃっていいよ」


え?


大事なクランメンバーだよ?


律さんって外道だったの?


そう皆が困惑している。もちろんスパイクもそうだ。

「は?何言ってるんだ。仲間を見放す気か?」

「おいおい、スパイクはともかくみんなまで動揺しちゃって。

 俺が何のためにここにいるのかわかるだろ?」

そう言われて、はっとした。

彼は、蘇生が使えるんだ。

だから、彼女が殺されてもすぐに蘇生できる。

ま、一回死ぬってのは不本意だろうけど。

多分、彼女もわかっているはずだ。どうりで、彼女もそんなに怯えてはいない。

そんなことも知らず、スパイクは、、、、


「はっ!後々後悔するなよ!」

そう言って、魔法の檻ごと爆発させた。

彼女は、あれだと即死だろう。

すぐに、蘇生させないと。

そう思ったが、なぜか彼女は生きていた。

しかも無傷だ。


「え、どうなっているんだ?!」

「えぇ、、、」

スパイクも律さんも困惑している。

あれ、もしかして、、、

俺は横を振り向く。

すると、やけにニヤニヤしているイザベラがいた。


「一度死なせるっていう考えが嫌だわ。だから、バリアを張ったわ」

なるほど、その手があったか。

普通のバリアならすぐに割れてしまうが、イザベラはバリア(結界)の使い手だ。

そんな簡単に壊れるバリアなんて作らない。


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