第35話

そして、すぐに律さんもスパイクに向かって攻撃をした。

しかし、謎のオーラがその波動を打ち破った。

彼の周りには何も見えない。が、何かがある気がする。

すると、彼が身に着けている指輪が目に入った。

おそらくそのせいだろう。

「異世界の装備は格が違うんだよ」

そう言い、スパイクはどんどん攻撃を仕掛けた。

いつもなら負けないはずの俺たちだが、今回ばかりはどうしようもない。

ダンジョンハートを手に入れたいが、この状況だと無理そうだ。

そもそも、世界で一番強い律さんでも勝てないとなると、誰も勝てないことになる。

ブルースも流石に焦っていた。

「なんでお前がこんなに強いんだよ、、」

あの過酷な異世界を生き延びたものは、やっぱり尋常じゃないぐらい強い。

俺たちは、久々に危機感を感じた。


「さ、これをどうしようかな」


スパイクが、ダンジョンハートを持ったままそういった。

まずい。

このまま、ダンジョンブレイクが発生してしまったら、やばいことになる。

しかもそれが人災だって分かったら、世間はもっと騒ぐことになる。

でも、今の状況からどうしようもできない。

俺たちが悩んでいると、ブルースがなにか思いついたようだ。

「曹、俺たちを無限にクローンしてくれないか?」

「確かに、数が多ければ勝てる確率も上がるわ」


その手があったか。

スパイクには勝てない。ただ、それは単体の時だ。

量が多ければ、勝てる可能性もある。

なにせ、俺は無限の魔力の持ち主だ。

理論上、クローンは無限にできる。

試してみるか。


俺は、皆のクローンを大量に召喚した。

スパイクは驚きながらも、俺たちのクローンを倒していった。

ただ、倒された量より増える量の方が圧倒的に大きい。

流石のスパイクでも、処理できないようだ。

そうして数分後、弱ったところで一斉に彼を捕まえた。

流石にクローンを使われるとは思っていなかったのか、今でも信じられないような目をしていた。


「なぜ、この俺が、、、」

「異世界ばっかに頼ってると、痛い目見るぞ」


こうして、俺たちはダンジョンハートを見つけ、事前にもらった道具で異常を治した。

しかし、ここからさらに大変なことが起こるとは誰も予想していなかった。

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