第9話

目の前にいるのは、漆黒に包まれた龍だった。

大きさは、だいたい東京タワーぐらい。

てか、冥層のモンスターって黒いのばっかだな。

とりあえず、まずは剣を入れてみた。


―カンッ!


何も通らない。

黒曜石ぐらいの硬さだろう。

色んな部位に当ててみても、全部同じだ。

物理攻撃はダメそうだ。

「じゃあ、魔法ならいけるかな?」

そう思い、俺は炎魔法を使った。


―グオッ!!


どうやら攻撃が通じたようだ。

そんなことより、何故かイザベラが驚いている。

ただの魔法のどこに驚く必要があるのか、、

「それって、、、!!」

「ん、どうかした?」

「その魔法って、Sランクよね?!?!」

「あー、たまたま手に入れたけど、、、普通じゃないのか??」

「Sランクの魔法を使っている人なんてそうそういないわよ!!

 その中で、龍系に通じる魔法を使える人はほんの数人!!

 十分私よりすごいわよ!!」

え、そうなん?

たまたま深層で手に入れたやつだったんだけど、そんな価値があったんだ。

「とりあえず、そんな話してる間に倒したけど、、、」

「え、まだ5分も経ってないわよ?!」

意外と攻略が簡単だったな、このモンスター。

すると、御子が突然言い出した。

「え、このドロップアイテムって、武器??」

俺が倒した敵のそばに、武器が落ちていた。

その武器は、一見ただの剣だ。

だけど、なにか見えないオーラがまとっている。

触れてはいけない。そう感じた。

「おい、これ触らないほうが良くないか、、?」

「大丈夫わよ。このオーラはバフがついている証拠だから。」

それにしてもこのオーラは強すぎる気が、、、

俺は、その剣を手にとってみる。


「おお、軽いなこれ。」

「ちょっと、その剣であの敵を倒してくれない?」

「いいよ」

イザベラに言われたので、俺はその剣を使ってみる。


―ブン


ゴースト系の敵だったのに、攻撃が通った。

ゴースト系は、ずっと物理攻撃は聞かないことで有名だった。

だからこそ、危険視されていた。

だけど、今物理攻撃が通じたのである。


「くぁwせdrftgyふじこlp」


イザベラが発狂していた。

そんなにやばいものなのか?

とりあえず、このままイザベラが正気を戻すまでここで待っていられないから、戻ることにした。


「ふぅ、、、」

「TKS!あなた、普通に私より強いわよ?」

「いやいや、世界ランク2位じゃないすか。

 俺なんてなったばっかりですよ」

「そもそも、Sランクの魔法と未知のバフを持っている時点で異次元よ」

へぇ、、、、、、

俺って、そんなすごかったの?


「「すごいわよ!」」

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